研究概要 |
1.ジカルボキシイミド系薬剤耐性灰色かび病菌の培養ろ液処理によって,薬剤耐性が増大したサッカロミセス酵母(S.cerevisiae DSー2)を,パルスフィ-ルド電気泳動による染色体解析,およびYeast RNAプロ-ブを用いたRFLP法によるゲノムDNA解析した結果,特異的,もしくは増幅した染色体およびDNA断片は検出されなかった。現在,耐性誘発酵母に特異的に出現,もしくは増大するmRNAの検出を進めている。 2.ジカルボキシイミド系薬剤耐性遺伝子を解析するために,半数体のサッカロミセス酵母(S.cerevisiae IFO SZ88C)にUV照射,およびEMS処理して,薬剤感性突然変異株(MVー9,MEー6株)を作出した。次に,S.cerevisiae DSー2株のゲノムDNA断片を,エレクトロポレ-ションにより感性株(MEー6株)に導入し,耐性獲得酵母を作出した。現在,ジカルボキシイミド系薬剤耐性遺伝子のクロ-ニングを進めている。 3.ベンズイミダゾ-ル系薬剤耐性灰色かび病菌(IHESー3)に特異的に存在したDNA断片と,サッカロミセス酵母のチュ-ブリン変異遺伝子をプロ-ブとして灰色かび病菌(IHESー4)からクロ-ニングした薬剤耐性遺伝子との相同性をサザン法で調べた結果,相同性は認められなかった。現在,IHESー3の特異的DNA断片を,エレクトロポレ-ションにより灰色かび病菌の薬剤感性株(IPCRー1),およびサッカロミセス酵母(MVー9)に導入し,耐性獲得株の作出を試みている。
|