研究概要 |
研究結果は次ようにまとめられる。 1、除草剤の芝草茎葉付着にたいする土壌浸透剤の影響 土壌処理除草剤は散布後芝草茎葉に付着し易く,土壌への落下量が減少するので除草効果が低下する。これにたいして散布液に土壌浸透剤を加用することにより、芝草茎葉への付着量が減少し,その後降雨があった場合も茎葉から落下し易いことが明らかになった。土壌浸透剤は土壌中の除草剤の下方移動を促すので表面排水にともなう除草剤の流出量も減少するものと予想される。 2.傾斜芝生地における降雨にともなう除草剤の流出 傾斜芝生地では傾斜角度が大きく,多量の降雨があると水や土壌が流出するので除草剤も流出する可能性があるが,芝生地では裸地(畑地)にくらべて水の流出量が著しく少なく,さらに土壌の流亡もきわめてわずかであり,従って除草剤の流出量は少ない。しかし,流出がみられる場合は水に溶け易い薬剤は水にともない,土に吸着し易い薬剤は土壌にともない流出する。水に溶け易い薬剤は土壌中に移動し易いので表面排水にともなう流出量は少なかった。 傾斜芝生地での除草剤流出の危検性をとり除く手段として,降雨水をできるだけ土壌中に浸透させ,あるいは芝生地表層に保留させることにより急激な多量の表面排水量を減すことが最も重要であることが判明した。
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