研究概要 |
イネ葉の先在性新規ジテルペン系抗菌物質Oryzalide Aと構造類似の3種の関連物質を新たに単離し,構造を決定した。農林27号の止め葉21Kgを80%メタノ-ルで抽出し常法により酸性画分を粗抽出後,シリガゲル,セファデックスLHー20カラム,高速液体クロマト,分取TLCによりOryzalide類4種を単離した。 ^1Hー, ^<13>CーNMR,HRーMSその他の機器分析により構造を決定した結果は次の通りであった。 Oryzalide A:A環にラクト-ル,D環にエポキサイドをもつカウレン型C_<19>新規ジテルペン系化合物。分子式C_<19>H_<28>O_4,分子量320。収量約0.7〜1.2mg/Kg生葉重。抗菌活性は150ppmでイネ白葉枯病細菌のコロニ-形成を60%阻害。 Oryzalide B:Oryzalide AのD環のエポキシとCー17メチル基の代りにCー15OH,Cー16エキソメチレン基を有する構造。分子式・分子量はOryzalide Aと同じ。収量約0.4mg/Kg。抗菌活性は200ppmで60%阻害。 Oryzalic acid A:Oryzalide AのA環ラクト-ルが酸化開裂し,ジカルボン酸を有する点のみが異なる。分子式C_<20>H_<30>O_5,分子量378(メチルエステル)。収量0.2〜0.3mg/Kg。抗菌活性は70ppmで50%阻害。 Oryzalic acid B:Oryzalide BのA環ラクト-ルが酸化開裂し,ジカルボン酸を有する点のみが異なる。分子式・分子量はOryzalic acid Aと同じ。収量約0.3mg/Kg.抗菌活性は60ppmで50%阻害。
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