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1991 年度 実績報告書

寄生蜂の寄主発見機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02660048
研究機関京都大学

研究代表者

高橋 正三  京都大学, 農学部, 教授 (00026535)

研究分担者 高林 純示  京都大学, 農学部, 助手 (10197197)
キーワード寄生蜂 / 寄主発見機構 / カリヤサムライコマユバチ / アワヨトウ
研究概要

飛翔性の寄生蜂が野外で寄主昆虫を発見する過程は、寄主昆虫の食草植物の匂い(揮発成分)、寄主昆虫の食痕、糞などの刺激で、広い範囲から次第に探索する領域をせばめて特定の寄主を発見認知して産卵する。これまで寄主昆虫認知に仂く不揮発性物質の確認を行ってきた。しかし、寄主昆虫の食痕のある植物を発見して寄主昆虫に到達する過程も寄生蜂にとって重要な寄主発見段階である。Y字型嗅覚計を使って、カリヤサムライコマユバチの雌成虫に湿気(コントロ-ル)とトウモロコシ葉揮発成分の間で選択させると、有意にトウモロコシ葉側に誘引された。カリヤサムライコマユバチでは寄主昆虫アワヨトウの食草でない植物葉にも誘引される。トウモロコシ葉から揮散される物質を吸着剤に捕集して分析すると、(Z)ー3ーヘキセノ-ルと(Z)ー3ーヘキセニル・アセタ-トが確認された。このうち(Z)ー3ーヘキセノ-ルに誘引活性が確認された。(Z)ー3ーヘキセノ-ルは植物に普遍的に存在する物質で緑葉植物の匂いなので、カリヤサムライコマユバチはどんな植物にでも誘引されることになる。そのあと寄生蜂はさらに寄主昆虫が食害した食草に特異的に誘引されると考えられる。その後の予備的実験でアワヨトウ幼虫が食害したトウモロコシ葉は食害されていない葉よりもよくカリヤサムライコマユバチを誘引することもわかってきたので、今後アワヨトウ食害による揮発性物質の変化について追求していきたい。これによって、寄生蜂の寄主生息域における探索行動を解析できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Junji TAKABAYASHI,Takashi NODA and Shozo TAKAHASHI: "Plants Produce Attractants for Apanteles kariyai,a Parasitoid of Pseudaletia separata; Cases of `Communication´ and `Misundrstanding´ in ParasitoidーPlant Interactions." Applied Entomology and Zoology. 26. 237-243 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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