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1991 年度 実績報告書

IPM(総合的害虫管理)を視野に入れた水田ユスリカ類の評価

研究課題

研究課題/領域番号 02660049
研究機関山口大学

研究代表者

矢野 宏二  山口大学, 農学部, 教授 (90038208)

研究分担者 濱崎 詔三郎  山口大学, 農学部, 講師 (10035107)
平尾 重太郎  山口大学, 農学部, 教授 (40218764)
キーワード水田生息性ユスリカ / 幼虫の発育 / 幼虫の耐乾燥性 / 幼虫、成虫の密度 / 水田内密度 / 捕食性昆虫 / IPM
研究概要

1991年度に得られた結果は下記のとおりである。
1.水田生息性ユスリカ類のリスト
現在までに記録された世果の水田生息性ユスリカ類を探索した結果、3亜科49属158種が判明した。インドから17属53種、日本から20属51種などである。研究進展によりさらに増加することは間違いなく、ユスリカ類は水田における最優占昆虫群であることが判った。
2.水田におけるユスリカ類幼虫の生息密度
成虫発生個体数を調査(1990年度)した水田で、幼虫の生息密度を6月9日から8月12日までの期間に5回、3か所から土壌を採取して調査した。7月末以後は乾燥が進み、5回目の採取は、1か所で、多数の幼虫が含まれていた。採集幼虫数から生息密度を推定すると、1〜4回の52日間で約118万個体、1〜5回の65日間では約413万個体となった。先に調査した成虫の推定発生数は94日間で414万個体であったので、5回目を除くと同一日数当りの個体数は幼虫の方が約1/2となり、5回目を入れると幼虫の方が成虫より多い結果となった。調査条件から判断すると,今回の幼虫密度は予想される密度よりも低いと思われる。
3.ユスリカ幼虫捕食性昆虫の生態
水稲害虫の天敵の寄主ないし代替寄主として重要と考えられるユスリカ類幼虫の水生捕食昆虫のうち、水田の多いトンボ目6種、半翅目4種,鞘翅目6種の計16種について調査した結果、全てユスリカ幼虫を捕食した。うち13種の捕食量を調査したところ、1日当たり平均2〜479個体を捕食したが,トンボ類の終齢幼虫が捕食量大であった。さらに、ウスバキトンボ幼虫全期間の捕食量推定を行った。
4.その他、オオヤマユスリカとハイイロユスリカの各種発育デ-タを得た。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Okazaki,A.and K.Yano: "Biology of Tanytarsus oyamai Sasa(Diptera:Chironomidae)" Transactions of the Shikoku Entomological Society. 19. 89-99 (1990)

  • [文献書誌] 矢野 宏二,霜鳥 博史,濱崎 詔三郎,平尾 重太郎: "水田におけるユスリカ類成虫の発生個体数" 応動昆中国支会報. 33. 1-7 (1991)

  • [文献書誌] Yano,K.,M.Takayama and T.Ueda: "Biology of Glyptotendipes tokunagai Sasa(Diptera:Chironomidae)1.Development of immature stages." Transactions of the Shikoku Entomological Society. 19. 177-188 (1991)

  • [文献書誌] 上田 徹・矢野 宏二: "ハイイロユスリカ(双翅目:ユスリカ科)の生態学的研究2.幼虫の耐乾燥性" 中国昆虫. 5. 15-19 (1991)

  • [文献書誌] Yano,K.: "Biology of the Chironomidae(Diptera)in paddy fields" Abstracts of the 19th Int.Congress of Entomology.(Beijin,China,June28ーJuly4,1992). (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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