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1992 年度 実績報告書

植物個体による硝酸態窒素吸収同化の自己調節

研究課題

研究課題/領域番号 02660063
研究機関東京農工大学

研究代表者

有馬 泰紘  東京農工大学, 農学部, 助教授 (90011973)

キーワードコムギ / 硝酸イオン / 導管液 / 長距離輸送 / 重窒素 / 窒素代謝
研究概要

コムギでの窒素の導管長距離輸送について、更に詳しい検討が必要となり、当初計画を変更し、硝酸イオン低濃度培地(0.07mM)から高濃度培地(3,15mM)に移した後の導管溢泌液を経時的に25分間ずつ採取し解析した。
溢泌液中硝酸イオン濃度の推移は、培地濃度により著しく異なり、15mM培地植物では初期に最も高く10-10.4時間目まで急激に低下したが、3mM培地植物では初期に最も低く1.6-2時間目まで比較的急激に上昇した後10-10.4時間目まで緩やかに上昇し15mM培地植物と同程度となった。溢泌液中の全窒素濃度は一貫して15mM植物の方が高く、また、両培地植物とも0-0.4時間目に最も高く1.6-2時間目に約1/10まで減少し、10-10.4時間目以降は当初の30-40%に回復した。また、1.6-2時間目を除き、溢泌液中窒素の約80%以上が還元態窒素であった。
高濃度培地に移した直後は、新規に吸収された硝酸イオンは根における還元に振り向けられ、導管輸送には直ちには振り向けられないが、高濃度培地に移して10時間経過した時点では、吸収直後の硝酸イオンが溢泌液中硝酸イオンの14-37%を占め、この割合は15mM培地植物より3mM培地植物の方が高かった。新規培地に移してからの時間経過による溢泌液中硝酸イオンの新規吸収硝酸イオンへの置き変わり速度は、高濃度培地に移した初期の方が大きく後期に小さくなった。溢泌液中の還元態窒素についても、硝酸イオンと同様に、高濃度培地に移した直後は新規に吸収され還元された窒素は根における同化に振り向けられ、導管輸送には直ちには振り向けられないが、溢泌液中還元態窒素の新規に吸収され還元された窒素への置き変わり速度は、3mM培地植物では高濃度培地に移した初期も後期もほぼ等しく、15mM培地植物では後期の方が大きくなった。
以上の結果から、窒素の導管輸送は根における窒素代謝の変動に強く影響されることが明きらかとなった。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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