遺伝子組換え手法を用いたダイズ根粒菌エネルギ-代謝改良に関する研究

1991 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 02660068
• 研究機関: 香川大学
• 研究代表者: 田島 茂行 香川大学, 農学部, 助教授 (50116894)
• キーワード: nitrogen fixqtion / nodules / malic enzyme / Bradyrhizobium japonicum / gene cloning / energy metabolism / nodー35 / soybean

研究概要

根粒菌よりのNADPーmalic enzyme遺伝子のクロ-ニング
精製酵素をSDSーPAGEにより分離しPVDF膜にブロッティング後、10ー30μg相当量を気相シ-クエンサ-でNー末端アミノ酸解析したが、効率が良くなかったので、Lys結合型固相法に切り替えた。その結果Nー末端から約20のアミノ酸配列が確認できた。酵素タンパクをin situカルボキシメチル化処理後、プロテア-ゼ処理し生成したペプチドを固相法でNー末端アミノ酸解析した結果からも約10アミノ酸の配列が判明した。この結果から17から32merの4合成DNAプロ-ブを調製し、根粒菌Bradyrhizobium japonicum A1017染色体DNAから作成したλsapIIゲノミックライブラリ-を選択した。その結果、2種のDNAプロ-ブにポジティブなmalic enzyme遺伝子を含んでいると思われるクロ-ンを得た。
共生特異的遺伝子群の探索
植物側に共生特異的反応をおこさせるシグナル分子は、直接、関接に根粒菌にも特異的反応、細胞分化を引き起こす可能性がある。その分子的機構を解明するために、まずよく知られている共生特異的遺伝子nodー35の発現を検索し、その結果、登熟中の種子にもnodー35遺伝子が発現していることを確認した。

研究成果

• [文献書誌] Tajima,S.and H.Kouchi: "Metabolism of C_4ーdicarboxylates and amino acids in soybean nodule bacteroids,and supply to nitrogenase," Nitrogen Fixation:Achievementa and objectives,. 309-314 (1990)
• [文献書誌] Tajima,S.et al.: "Purification and characteristics of NADPーmalic enzyme in Bradyrhizobium japonicum" Nitrogen Fixation:Achievementa and objectives,. 590 (1990)
• [文献書誌] Tajima,S.et al.: "Soybean cotyledons contain a uricase that crossーreacts with antibodies raised against the nodule uricase(nodー35)." Plant Cell Physiol.32(8). 1307-1311 (1999)
• [文献書誌] Tajima,S.et al.: "Purification and characteristics of NADPーmalic enzyme in Bradyrhizobium japonicum A1017.," Biosci.Biotec.Biochem.