Zymomonas mobilisの外部ストレス耐性と膜脂質との関係を明らかにしようとした。 1.Z.mobilisをエタノ-ル濃度の異なる培地で培養し、エタノ-ルの影響による脂質成分(ホッパノイド、スフィンゴ脂質、リン脂質)の変動を調べた。THBHはエタノ-ル濃度の上昇にしたがって増加するが、その誘導体であるエ-テル型THBH、グルコサミンTHBHには、このようなエタノ-ル濃度の上昇に伴う増加は示されなかった。リン脂質では、ホスファチジルコリンが増加がみられた。スフィンゴ脂質はアルコ-ル発酵に伴う増加がみられるが、その含有量は培地のエタノ-ル濃度によって異なった。 2.Z.mobilisの塩耐性と脂質成分との関係を調べた。KClの濃度が高まるにつれて、リン脂質、スフィンゴ脂質がともに減少し、エ-テル型THBHとグルコサミンTHBHも減少した。ただ一つTHBHのみが増加した。THBHの増加は、エタノ-ル濃度を高めた培地で成育させたときにも見られたことから、Z.mobilisの外部ストレスに対する膜脂質としてTHBHが注目された。
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