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1991 年度 実績報告書

徴生物由来フリ-ラジカル消去物質の研究

研究課題

研究課題/領域番号 02660129
研究機関東京大学

研究代表者

早川 洋一  東京大学, 応用徴生物研究所, 助教授 (20208606)

キーワードフリ-ラジカル / 脂質過酸化 / Streptomyces / Benthocyanin / フェナジン
研究概要

種々の生体内酸素ストレスにより生じるフリ-ラジカルは、炎症、老化、動脈硬化、脳障害、心疾患、消化器障害などにおいてその関与が示唆されている。これらの疾患の多くには決定的な治療法がなく、基礎、臨床両面からフリ-ラジカルの消去能を有する新規な化合物が常に求められている。
そこで、種々の2次代謝産物を生産する徴生物を対象にフリ-ラジカル消去物質の探索を行なった結果、Streptomyces prunicolorと同定した放線菌より3成分から成る新規物質を単離し、それぞれbenthocyanin A、B、Cと命名した。主成分であるbenthocyanin Aの構造と比較してNMRやマススペクトルを主とした各種機器分析により構造解析を行ない、benthocyanin Bの構造は、benthocyanin Aと同じくγーラクトン環と縮合したフェナジン骨格とフェニル基およびゲラニル基を有するが、カルボキシル基の置換位置が異なり位置異性体であることが判明した。また、benthocyanin Cは、benthocyanin Bのγーラクトン環が開裂し、生じたカルボキシル基がシアノ基に変換された極めてユニ-クナ構造を有することが明らかとなった。
Benthocyanin B、Cのラット肝ミクロソ-ムにおける過酸化脂質生成抑制活性は、IC_<50>値としてそれぞれ0.16および0.26μg/mlであった。また、benthocyanin A、B、Cについて、ラット赤血球に対してラジカル発生剤AAPHを作用させた際の溶血の抑制効果を調べた。その結果、各化合物は顕著に溶血を抑制し、それぞれのIC_<50>は0.42、0.92、0.64μg/mlであった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kazuo Shinーya: "The structure of benthocyanin A,a new free radical scavenger of microbial" Tetrahedron Letters. 32. 943-946 (1991)

  • [文献書誌] Kazuo Shinーya: "Benthocyanins B and C,new free radical scavengers from Streptomyces prunicolor." Journal of Organic Chemistry.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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