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1990 年度 実績報告書

シダ植物におけるジベレリン関連造精器誘導物質の生合成とその受容体の追求

研究課題

研究課題/領域番号 02660133
研究機関東京大学

研究代表者

山根 久和  東京大学, 農学部, 助手 (80090520)

キーワードシダ植物 / 生合成 / Anemia phyllitidis / カニクサ / 造精器誘導物質 / 3αーhydroxyー9,15ーcycloーGA_9 / antheridic acid / GA_<73>メチルエステル
研究概要

本研究は、ジベレリン(GA)関連構造を有するフサシダ科のシダの造精器誘導物質の生合成経路を明らかにするとともに、その細胞内受容部位や受容体の追究を併せて行おうとするものである。
本年度は、Anemia phyllitidis、カニクサの主要造精器誘導物質であるantheridic acid、GA_<73> methyl ester(GA_<73>ーMe)の生合成経路を追求した。Antheridic acidとGA_<73>ーMeについては、その構造相関から9,15ーcycloーGA_9を共通の前駆体とする生合成経路が想定される。そこでA.phyllitidis前葉体に対し、[^2H]9,15ーcycloーGA_9、[^2H]3αーhydroxyー9,15ーcycloーGA_9を用いたfeeding実験を行い、それらの代謝物をGC/MSにより分析した。その結果、antheridic acidは3αーhydroxyー9,15ーcycloーGA_9を経て生合成されることが明らかになった。また、本feeding実験の過程で、3αーhydroxyー9,15ーcycloーGA_9が天然の造精器誘導物質として生成・分泌されていることも示された。カニクサ前葉体についても、[^2H]9,15ーcycloーGA_9を用いたfeeding実験を行ったが、代謝物としてmonohydroxyー9,15ーcycloーGA_9ーMe様物質が得られたのみで、GA_<73>ーMeへの変換を認めることはできなかった。しかしながら、カニクサ前葉体におけるGA_<73>ーMeの生成量はもともと極微量であり、生成量が極めて少量である可能性もあることから、高い比放射能を有する放射性同位元素標識化合物を用いたfeeding実験などの追究方法を試みる必要があると考えられる。また、GAの生合成との関連を追究する観点から、GA生合成阻害剤がこれらの造精器誘導物質の生合成に与える影響を調べたところ、antheridic acid、GA_<73>ーMeともにuniconazoleーPによりその生合成が阻害されることが示された。さらに、2ーoxoglutarーate要求性の可溶性dioxygenaseの阻害剤であるprohexadioneによってantheridic acidの生合成が阻害されることが示された。

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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