研究概要 |
1.食品香気のにおい特性評価法の検討。近縁関係にある5品種のネ-ブル果皮精油成分の分析結果を用いて香気特性の評価法について検討した。果皮精油の炭化水素化合物12成分、含酸素化合物75成分を同定し、さらに、3点識別法を用いた官能検査およびそのクラスタ-分析により、これら5品種の香気評価を行った。GCーパタ-ン類似率を求めた結果、大三島ー森田間の類似率は0.963,白柳ーワシントン間は0.951、森田ー福本紅間は0.797であった。成分毎のにおいの寄与を検討するため、各成分の濃度、オ-ダ-ユニット(Uo)を対数値で表し、各成分のにおいの寄与度合を推定した。また、スダチ果皮と果汁の香気成分の比較検討した。果汁中で同定した炭化水素化合物26種、含酸素化合物74種のUoを用い、果皮と果汁の香気特性を比較した結果、テカナ-ル、ドテカナ-ルおよび直鎖状アルテヒド、エステル類がスダチ果汁の香気に寄与していると推定した。 2.においの官能特性表示の3次元ヒストグラムの作成。フレ-パ-成分のにおいの性質、成分の濃度、いき値、におい強度の関係を表示し、それらの相互関係からにおいの特性を表示できる立体ヒストグラフのパソコン用(PCー98)プログラムを開発した。このプログラムを用い香酸柑橘のにおい特性を比較した。その結果、レモンーライム間、ユズースダチ間のにおいの類似性を明かにした。Log Uoにより各精油の香気に寄与している化合物を選出できた。 3.においセンサ-の応用。においセンサ-を用いて、においの質およびその強度を数値化する方法を検討した。フィガロ技研(株)製のセンサ-ユニットおよびパソコンの組合せで、においの質、におい強度を再現性よく表示できる方法を検討中である。
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