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1990 年度 実績報告書

針葉樹一次性穿孔性甲虫類の生態とその被害顕在化の要因解明に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02660163
研究機関日本大学

研究代表者

山田 房男  日本大学, 農獣医学部, 教授 (30174733)

研究分担者 槙原 寛  農林水産省, 森林総合研究所・東北支所, 室長
岩田 隆太郎  日本大学, 農獣医学部, 助手 (90213298)
キーワード一次穿孔虫 / 食痕 / オオトラカミキリ / モミ / アオモリトドマツ / トラップ / 誘引剤 / 森林保護
研究概要

針葉樹一次性穿孔甲虫類の中で個体密度変動が非常に顕著と考えられるモミ属・トウヒ属害虫のオオトラカミキリ Xylotrechus villioni Villard について,その[1]分布(文献調査・実地調査),[2]食害様式,[3]林内空間分布様式(特徴的な食痕を利用),[4]誘引捕獲方法を中心に調査した。
1.分布:文献記録,所在標本,食痕調査などにより,南千島国尻島・北海道全域・東北地方の一部・関東地方ほぼ一円・甲信越〜中部地方ほぼ一円・近畿地方の一部・四国山地における棲息・分布を確認し得た。今後さらに未記録地における調査を実施する。
2.食害様式:幹に対する食害様式はほぼ解明でき,その食害確認による本種棲息の調査方法はほぼ確立した。今後は枝に対する食害,樹種間・産地間での食害の違い,特に越冬態の差異について調査を続行する。
3.林内空間分布様式:被害樹木の外見的調査により単一林分内での分布調査が可能となった。東京都八王子市多摩森林科学園・京都府美山町京大芦生演習林のモミ林では,林分内の立木の70%以上に累積食害跡が見られ,しかもそれらの著しい重複はあまり見られず,1本の立木への多数の個体の同時寄生は困難であり,異常発生に至るには相当の年月を経て徐々に林分全体の密度が上昇していくことが必要と推察された。
4.誘引捕獲方法:市販甲虫誘引トラップに誘引剤・フェロモンを装着して成虫出現期の夏期に東京都八王子市多摩森林科学園・京都府美山町京大芦生演習林のモミ林,並びに福島県桧枝岐村舟岐林道にて誘引捕獲調査を実施したが,恐らくは林分全体での個体密度が低いためか,捕獲には至らなかった。今後,トラップの設置位置を再検討して実施する。なお同属で針葉樹同樹種の二次穿孔虫であるニイジマトラカミキリの捕獲が目立った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 岩田 隆太郎,他: "針葉樹一次穿孔性害虫オオトラカミキリの研究(I).生態の概要." 日本林学会大会発表論文集. 101. 525-528 (1990)

  • [文献書誌] 岩田 隆太郎,他: "針葉樹林における甲虫類誘引試験(I).八王子市森林総研究多摩森林科学園モミ林." 日本林学会大会発表論文集. 102. (1991)

  • [文献書誌] Iwata,R.,etal.: "Studies on Xylotrechus villioni (Villard) (Coleoptera:Cerambycidae),a primary borer of coniferous trees in Japan (II).Survey on the distribution of larval tunnels on the stems." J.Jpn.For.SoC.(日本林学会誌).

  • [文献書誌] 岩田 隆太郎: "オオトラカミキリの生態.ーこれまでにわかったこと." インセクタリウム.

  • [文献書誌] 笹川 満廣,他: "京都の昆虫ーその生態と環境ー" 京都新聞社, 300 (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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