研究課題/領域番号 |
02660181
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
鈴木 利克 東京農業大学, 農学部, 講師 (80096677)
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研究分担者 |
福住 俊郎 東京農業大学, 農学部, 教授 (70011856)
桧垣 宮都 東京農業大学, 農学部, 教授 (70138957)
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キーワード | 光 / 通気条件 / オオウズラタケ / カワラタケ / 酵素誘導 / 質量減少率 / 加水分解酵素 / フェノ-ルオキシダ-ゼ |
研究概要 |
◎褐色腐朽菌オオウズラタケの木粉培養について 1)粗酵素液中のタンパク質量は、同一の通気条件において遮光下より光照射下の方が高かった。木材腐朽が抑制された通気条件が悪く、しかも遮光下ではその量が培養期間が長くなるにともない減少した。 2)エンド型セルラ-ゼ活性は培養時の光と通気条件の影響をほとんど受けなかった。エキソ型活性では、45日間培養において光照射下、遮光下ともに通気条件が良い方が高く、同一の通気条件では遮光下より光照射下の方が高かった。また、遮光下では通気条件が良好な方が培養日数が増加するにともない活性が増加したが、通気条件が悪いと活性は減少した。この傾向はβーグルコシダ-ゼ活性においても認められた。 3)エンド型マンナナ-ゼ活性は培養期間、光照射の有無、通気条件に関係なく、ほぼ同一の値を示した。エキソ型活性は7ー14日間培養で光照射の有無に関係なく高い値を示したが、45日間培養では活性値が低くなり、遮光下より光照射下の方が高かった。 ◎白色腐朽菌カワラタケについて 1)この菌による木材腐朽はオオウズラタケのそれと異なり、光により抑制された。また、ここでの質量減少率は培養時の光と同時に通気条件の影響を著しく受けていた。 2)木粉培養では、光によりCMCase活性、マンナナ-ゼ活性及びキシラナ-ゼ活性が光により促進されていた。ラッカ-ゼ活性は光により促進されていた。また、パ-オキシダ-ゼ活性は培養初期での至適pHが4.5であり、その活性値は遮光培養の方が大きく、45日間培養では遮光下における至適pH5.0ー5.5の活性値が著しく高かった。このように、遮光下で菌体外のパ-オキシダ-ゼ活性が高くなることは本研究が初めて見いだしたので、今後この活性がリグニンの分解に関与しているか、否かについて検討するつもりである。
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