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1990 年度 実績報告書

魚類耳石の重金属代謝に関す研究

研究課題

研究課題/領域番号 02660184
研究機関北海道大学

研究代表者

麦谷 泰雄  北海道大学, 水産学部, 助教授 (50001615)

キーワード微量元素 / 耳石 / 鱗 / 代謝 / キンギョ / X線分析
研究概要

魚類の耳石に蓄えられた情報を解読する研究の一環として、耳石への各種微量金属元素の取り込み及び回転代謝をX線分析および原子吸光法により調べた。
体重約6gのキンギョを用いた。テトラサイクリンによる時刻猫記後、Al、Cd、Ba、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Pb、Srのいずれか一つを付加した環境水(水道水)で2週間飼育した。エサは一日一回養鯉用ペレットを与え、水温は25℃とした。飼育終了後、耳石(星状石)を摘出し、研磨標本を作製後、X線分析により実験期間中に形成された部分の各元素をカルシウムとの比で調べた。さらに元素の絶対量の変動を原子吸光法で調べた。また、比較のために、鱗についても同様の分析を行った。Sr飼育群の一部は2回目のテトラサイクリンを投与後、さらに90日間非Sr付加環境水で飼育し、取り込まれたSrの回転代謝を調べた。
使用した総ての元素は、飼育水および飼料中に含まれていた。したがって対照魚の耳石および鱗からも各種微量元素が検出されたので、対照値に比べ有意に高い値を示した元素のみ,付加環境水から組織に取り込まれたものとした。用いた10元素の内硬組織に取り込まれたものは、4元素のみであった。すなわち、耳石に取り込まれたものは、Al、BaおよびSrであり、鱗ではBa、ZnおよびSrであった。BaおよびSrはカルシウムと同様にアルカリ土族の元素であり、これらはいずれの硬組織にも取り込まれた。またBa、SrおよびAlは非必須元素である。Znは骨芽細胞の基質形成を介して鱗に取り込まれたもと考えられるが、耳石は関連細胞から直接形成される様式を取らないので、Znが取り込まれなかったものと推定される。また耳石および鱗に取り込まれSrは、90日後でも減少することがなかった。以上のことは、耳石の部位により、また鱗の隆起線上と隆起線間において差異はなかった。これらの結果から、硬組織にはアルカリ土族および非必須元素が取り込まれ易いと推定された。なお、エサに微遠金属元素を混和した実験についてはまだ分析中であり、結果はでていない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Mugiya,Y.: "Trace metal incorporation into otoliths and scales in the goldfish,Carassius auratus" Comparative Biochemistry and Physiology. 879C. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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