研究概要 |
昨年度の実験より,ワカメのカルス形成に対して植物ホルモン5種(オ-キシン系3種,サイトカイニン系2種)がそれぞれ効果を示す結果が得られ,また有効濃度も0.1〜1,000μg/lの範囲にあることが合った。 本年度は,この5種類の植物ホルモンの他に6種類(オ-キシン系4種,サイトカイニン系1種,その他の植物ホルモン種植質1種)についてもカルス形成に有効であるかどうかについて実験を行った。カルス形成に有効だったホルモンは,昨年用いた5種と今年用いた6種だった。 とくに,カルス形成頻度が高かったのは,オ-キシン系では3ーIndoleacetyとacid,3ーIndolebutyriとacid,2,4ーDicnlenopxhencexyacetic acidの3種,サイトカイニン系では6ーBeuzylaminopunine,Kinetinの2種だった。昨年と比べて異なるのは,αーNaphthaleneacetic acidに比べて3ーIndolebutynとacidで形成頻度が高かったこと,Zeatinに比べて6ーBeuzーylaminopurineでも形成頻度が高かったことである。有効濃度についてみると,1μs/l以下の低濃度でカルス形成頻度が高い種類(2,4ーDicnleiroーphenoxyacebor acidなど)と高い濃度(100μs/l以上)でカルス形成がより良く行われる種類(Kinetinなど),そして濃度に関係なく低濃度でも高濃度でもカルス形成が行われる種類(6ーBeuzylaminopunrineなど)の三つが認められた。一方,カルスからワカメ維苗の茎となる芽胞体形成に有効だと考えられるホルモンは,オ-キシン系のpーChlorophenoxyacetre acidとサイトカイニン系の6ーBenzylaminopurineの2種だった。 これらの結果から,今年度の結果を含め,用いた11種類の植物ホルモンはワカメのカルス形成に有効であり,特にpーChlorophenoxyaceとacidと6ーBeuzylaminopunineは芽胞体形成に有効であることが明らかとなった。これら2種のホルモンを有効に組み合わせることにより,スルス形成を通して,ワカメの種苗生産への応用の可能性が示唆される。
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