研究課題/領域番号 |
02660197
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松浦 修平 九州大学, 農学部, 助教授 (80038215)
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研究分担者 |
松井 誠一 九州大学, 農学部, 助手 (60038297)
北島 力 九州大学, 農学部, 教授 (50204889)
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キーワード | マイワシ / 卵形成 / 精子形成 / 成熟 / 産卵 / 排卵誘発 / 排卵後濾胞 / ステロイドホルモン |
研究概要 |
現在、極めて高い水準を維持しているマイワシ資源の再生産機構解明の基礎資料として重要な生殖巣の成熟及び産卵の過程を明らかにし、もって資源の維持・管理に資することを目的として研究を行った。まずマイワシの年周及び日周成熟リズムを解明するため、天然魚及び飼育魚から月1回、産卵盛期には月1ー6回、周年に亙ってその生殖巣の標本を採取し、卵径頻度分布と組織学的成熟度及び排卵後濾胞の消長を探求し、光学顕微鏡による観参記録をとった。その結果、天然魚の産卵盛期は、経年的にみて約1カ月もの開きが認められ、3月上旬から4月上旬にかけてであった。産卵に参加し始めるのは、2歳、体長約185mmの中羽サイズの個体からであっった。排卵後濾胞と卵母細胞の形態変化とから、産卵は少なくとも2回行われ、その間隔は2日以上であると推察された。また飼育魚では血清の採取も同時に行い、血中ステロイドホルモン量の変化をラジオイムノアッセイ法により測定し個体の成熟度との比較検討を行った結果、雌の血中エストラジオ-ルー17β量はGSI(成熟度指数)の値によく対応して変動し、3月にピ-クを示したがテストステロンは検出されなかった。雄においては、テストステロン量はGSI値に対応して変動し、2月に極めて高い値を示したが、11ーケトテストステロンは周年に亙り検出されず、本種においてはテストステロンが精子形成に重要な役割を果たしていることが示唆された。飼育魚の雄は成熟するが、雌では第3次卵黄球期まで卵母細胞は発達するがそこで停止し成熟に至らずやがて崩壊・吸収された。しかしこれらの雌にLHRHーaなどのホルモンを投与することによって排卵誘発がみられたことから最終成熟を支配しているホルモン分泌機構の特殊性が示唆された。更に種々のステロイドによる卵成熟誘起試験では17α,20βージヒドロキシー4ープレグネンー3ーオンが最も効果があった。
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