研究課題/領域番号 |
02660223
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
嘉田 良平 京都大学, 農学部, 助教授 (90111947)
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研究分担者 |
金子 治平 京都大学, 農学部, 助手 (40204557)
宇山 満 京都大学, 農学部, 助手 (90176735)
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キーワード | 高付加価値 / 消費者ニ-ズ / 品質差別化 / 農業政策 / 農産物流通 |
研究概要 |
農産物の一般過剰傾向と円高輸入拡大のもとで、日本農業が生き残る戦略として、生産コスト低減化と並んで広い意味での「農業の高付加価値化」が不可欠であることはいうまでもない。それは狭義には、農産物を素材のまま販売するのではなく、加工し、付加価値を高めるという、いわゆる農業の1、5次産業化を意味するが、より広義には、品質や安全性の面で消費ニ-ズの高度化・多様化にアピ-ルすることによって、より高価に農産物を販売すること、すなわち、農産物の生産・加工・流通・消費の諸過程における差別化(品質差別化)を意味する。だが現実には、農業における高付加価値化の途は決して容易でなく、様々な理論上、戦略上の課題が残されている。 そこで本研究では、日本農業の高付加価値化の意義と可能性あるいは限界について理論的・実証的究明を行ない、今後の展開条件を明らかにした。具体的には、第一に農業の高付加価値化の概念および手法に関する経済理論的分析を行ない、第二に、高付加価値型農業の各地での実践に関する実態調査を行ない、第三に、農業高付加価値化に関する統計分析を、品質差別化等による価格差の実態という側面から行なった。 平成2年度においては、上記第1、第3の課題に接近するとともに、第2課題における予備調査を試みた。その具体的内容と方法は次の通りである。 (1)日本農業において現実に実践されている高付加価値型農業を類型的に整理し、各類型ごとに経済理論的根拠と成立要因を究明した。 (2)主要品目を選び出し、その主要産地別、出荷時期別、品種別の価格差(主として卸売市場段階での)実態を統計的に分析した。 (3)高付加価値型農業を実践している主要産地での予備調査を行ない、次年度で本格実施する実態調査の準備を行なった。
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