研究課題/領域番号 |
02660224
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
斎藤 修 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (40144894)
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研究分担者 |
三国 英実 広島大学, 生物生産学部, 教授 (70001443)
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キーワード | Market Structure / Industrial Organization / Locational shift / Integration / livestock industry / Technical change / Marketing / scale economies |
研究概要 |
寡占的競争構造への移行はインテグレ-ションの展開が早かったブロイラ-で進展し、ついで肉用牛でも新興パッカ-の成長が'80年代に集中度を上昇させた。一般的に中小家畜からオ-プンマ-ケットでの価格形成機能が減退するが、処理業者やパッカ-間の競争行動が集中度を上昇させるものの管理価格の形成にまで至らない。また、産地間競争では、輸送コストの上昇や飼料の安価な購入のために、鶏卵でコ-ンベルトへの立地移動がみられるが、ブロイラ-では必要資本額が多いことから立地移動は顕著ではない。豚では南東部から大規模経営の成長をみたものの、購入飼料への依存度が高いためにコ-ンベルトの複合経営よりも生産コストで不利であり、立地移動はみられない。これに対して、肉用牛では'60年代に参入したハイプレ-ンズの競争力は、産地に立地移動したパッカ-による処理場への規模拡大と箱詰部分肉の開発によって拡大された。大規模パッカ-は集荷コストの節約と計画的購入のため大規模フィ-ルドロットと結び付き、操業度を高位に維持し、さらに価格変動のリスクを先物市場を媒介として投資家に移転させる行動をとっている。上位4パッカ-のシェア-は'80年代に70%近くにまで増大し、大規模パッカ-を中心とする寡占的競争構造が形成されるに伴い、肥育段階の産地間競争にはパッカ-の戦略や行動が関係してくる。豚でもIBPに代表される大手パッカ-は新規に大規模処理場を設置して、19ケ所で50%に近いシェア-を確保し、他方で大規模生産者とのプレミアムによる結び付きを強めたのでオ-プンマ-ケットは減退した。酪農では農協系組織の統合が進展し、地域レベルでの法的制約が市場成果を規定しやすい。 中小家畜では研究が進展し、課題に対する研究成果が出て来たが、肉用牛と酪農については次年度で中心に扱う予定である。
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