• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1991 年度 実績報告書

アメリカ畜産業の市場構造的性格と立地移動

研究課題

研究課題/領域番号 02660224
研究機関広島大学

研究代表者

斎藤 修  広島大学, 生物生産学部, 助教授 (40144894)

研究分担者 三国 英実  広島大学, 生物生産学部, 教授 (70001443)
キーワード市場構造 / 立地移動 / 畜産業 / 産業組織 / 技術革新
研究概要

本年度はパッカ-の企業行動が市場耕造や産業組織に与えるインパクトを分析し、産業組織論からの検討・評価を加えることを中心にして新たな展開をとげている養豚の契約生産と食品加工業の性格も解明した。
牛肉部門では、需要の減退を主たる契機として大手パッカ-3社の募占化が進展する。この募占化はパッカ-の合併・買収と処理場における規模の経済性の追求といった。企業行動によって進展し、地域におけるパッカ-の集中度の急激な上昇は、原子的競争構造下にある生産者からの購入価格を低下させる。しかし、パッカ-も処理場における過剰能力の形成やboxed beefによる流通再編なよって効率的な競争を余儀なくされており、captive supplyの増大が処理場の運営を改善し、かつ生産者との価格形に影響している。また、肥育地域の産地間競争では、ハイプレ-ンズでの競争力が減退し、地域内で飼料の自給率の高いコ-ンベルト西部の競争力が拡大している。この牛肉部門での競争の激化は、パッカ-の豚肉部門への進出を促進し、大手3社の募占的競争構造が形成されつつある。豚肉ではパッカ-と大規模生産者との取引関係がプレミアムや品質管理で強くなってくる。それに加えて、規模拡大のための必要資本額が増大したことから、飼料会社を主なる担い手とした契約生産が増大した。このような大手パッカ-の集中度の上昇、多様なコ-ディネ-ションの進展は、シカゴ学派の経済理論がレ-ガン政権下で規制緩和を促進した結果でもある。食肉加工では、食の外部化の進展によって外食産業が成長し、大口納入業者の役割が重要になり、また家會では処理加工業者の新製品開発などのマ-ケティング活動が市場成果を改善している。
なお、食肉部門を中心に分析・検討したことから酪農部門ととりまとめにまで至らにかった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 斎藤 修,杉山 和男: "アメリカにおけるタ-キィの産業組織的性格と競争構造" 日本家會学会誌. 27.3. 182-191 (1990)

  • [文献書誌] 斎藤 修,杉山 和男: "アメリカ養豚産業における生産技術革新と大規模経営の成立条件" 日本養豚学会誌. 27.4. 194-201 (1990)

  • [文献書誌] 斎藤 修,杉山 和男: "アメリカ養豚産業におけるパッカ-の行動の市場耕造の変化" 農産業市場研究. 31. 45-55 (1990)

  • [文献書誌] 斎藤 修,杉山 和男: "アメリカにおけるブロイラ-の産業組織の変化と立地移動の制約条件" 日本会會学会誌. 28.1. 37-46 (1991)

  • [文献書誌] 斎藤 修: "アメリカにおける養豚の契約生産の新展開と産業組織の変化" 広島大学農業水産経済研究. 4. (1992)

  • [文献書誌] 斎藤 博: "アメリカにおける食肉加工の産業構造と研究動向" 外食産業総合研究所. (1992)

  • [文献書誌] 金沢 夏樹: "金沢夏樹博士古希記念論文集(分担、斎藤修「アメリカにおける牛用肉産地の形成と立地移動」)" 養賢堂, (1992)

URL: 

公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi