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1991 年度 実績報告書

牛肉の流通経路構造に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02660225
研究機関鹿児島大学

研究代表者

宮田 育郎  鹿児島大学, 農学部, 教授 (30041619)

キーワード牛肉の自由化 / 牛肉の商品形態 / 牛肉販売戦略 / ビ-フパッカ- / ボックスビ-フ / 食肉卸売市場 / 牛肉流通経路
研究概要

牛肉の自由化が施行されて、ほぼ一年を経過したが、自由化前の多量の牛肉在庫の放出と関税70%の影響を受けて、牛肉の輸入量は自由化前よりも少なかった。しかし、輸入牛肉の商品形態に変化がおこり、自由化前の輸入牛肉はフロ-ズン部分肉が主流であったが、現在はチルド部分肉が主流を占めるようになりつつある。さらに、輸入牛肉が「かた」,「ばら」,「ロイン」,「もも」,等の単品形態に片寄りつつあり、国内における量販店の牛肉販売戦略に輸入牛肉が利用されつつある。輸入牛肉の商品形態の変化にともなって、わが国の乳用牛牛肉の価格形成に影響が出はじめており、乳用めす牛、乳用肥育去勢牛の格付「Bー3」,「Bー2」の卸売価格及び乳用おす子牛の農家販売価格の下落が一般的となった。さらに、めす和牛及び去勢和牛の格付「Aー4」,「Aー3」の卸売価格にも影響が出はじめているが、その影響はまだ小さく、黒毛和種の子牛価格には及んでいない。牛肉の輸出国であるアメリカ、オ-ストラリアでは、ビ-フパッカ-の寡占化が進んで、牛肉流通は農家(フィ-ドロット)⇒パッカ-⇒食肉小売店という経路に短縮化され、牛肉もボックスビ-フで流通しているので輸入牛肉の流通はその影響を受けることになるが、国産牛肉の流通はわが国独特の食肉卸売市場のル-トを流通量も価格形成上も必要としているのでアメリカ、オ-ストラリアのように流通経路の短縮化がおこるとは考えられない。わが国のと畜場の合併大規模化及びパッカ-及び食肉センタ-等の大規模寡占化が進行しないかぎり、わが国の牛肉流通経路は、輸入牛肉の流通経路と国産牛肉の流通経路の2つのル-トが併存した構造のままであると考えられる。

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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