研究概要 |
本研究は,1).滑面から大型粗度に急変している位置で発生している跳水とWaveの水理特性,2).粗度急変流の内部境界層の発達,3).水路幅が跳水に及ぼす影響の三事項について実験的に考究した。 1)については,大型粗度として桟型とブロック型を用い,次の結果を得た。(1)跳水の発生条件では粗度の影響が見られた。Waveの発生は段落ち部でのWaveの発生条件式が適用できる。(2)跳水表面渦長は,大型粗度によって30%〜40%減少する。(3)Waveの水面特性値は段落ち部のWaveの関係とほぼ一致している。(4)跳水内の流速分布を主流部と境界層に分け、各々の特性を明らかにする。(5)跳水内の最大流速のテイ減は,対数の関係式で示される。(6)境界層の発達状況を3区間に分け,各々の特性を明らかにする。 2)については,(1)滑面上と粗面上の流速分布および乱れ強度分布特性を明らかにする。(2)内部境界層の厚さは,流速分布より乱れ強度分布からの方がより明確に求められる。(3)内部境界層(δ)の発達は流下距離(x)に対して,δ=a・x^bの関係になっていて,bの値は0.7である。粗度大きさおよび粗度密度の影響については,さらに検討する必要がある。 3)については,アスペクト比(水路幅と水深の比)の違いによる跳水への影響を共役水深比,水面変動,エネルギ-減殺率,流速分布の点から明らかにし,特に水路幅の水さい場合には,水面形,流速分布に違いが見られ,これが跳水長に影響を与えていることを明らかにする。
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