研究概要 |
今年度はまず水田排水中の地表排水と暗渠排水の割合を調べた。白根市郊外の圃場整備完了地区における調査の結果,水量は地表排水67%、暗渠排水33%となった。窒素の負荷量は各々68%、32%と、水量の割合とほぼ同じになった。それに対し、燐の場合各々48%、52%と暗渠排水の負荷量が地表排水のそれを上回った。平均濃度としては暗渠排水の濃度は地表排水の濃度の2,3倍に達しており、燐の場合暗渠排水から出易いことが判明した。 次に白根排水機場において、水質成分の沈澱特性を明らかにするために、ポンプの断続運転に伴う水質濃度の変化を測定した。その結果SS,COD,TーPがポンプ運転の断続に伴って変化していた。いずれもポンプ運転時に濃度が高く、逆に停止時に低くなっていた。これに対しTーNやPO_4ーPの濃度は、ポンプ運転のあるなしにかかわらず、あまり変化は見られなかった。このことはTーPはSSなどの浮遊成分に含有される割合が高く、SSの沈澱に伴ってTーP濃度が下がることを示している。TーPのポンプ運転時の平均濃度0.38mg/1に対し、ポンプ停止時の濃度は0.23mg/1であった。 最後にポンプ場の前の水路の沈澱泥のP含有量を測定した。その結果0.82%となり、水田の作土0.06%の16倍強と高いPの集積が見られた。このことはポンプの断続運転によって沈澱したP成分が水路底に沈積することを示している。
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