研究課題/領域番号 |
02660234
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
新庄 彬 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (50024568)
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研究分担者 |
加治佐 隆光 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (60177376)
新垣 雅裕 三重大学, 生物資源学部, 教授 (60024585)
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キーワード | トマト / 水収支 / 熱収支 / レキ / ガラス室 / 蒸発散量 / 培養液 / 電気伝導度 |
研究概要 |
トマト栽培ガラス室の水収支・熱収支構造の実態を明確化する実験を平成2年度は10月より12月にわたって実施した。主たる実施項目は次の三つに大別できる。 1)レキ面蒸発量を推定するために用いるレキ充填金網容器底から二次的に排出する重力水の定量実験。2)培養液肥料濃度変化の分析の関する実験。3)トマト栽培ガラス室の蒸発散量推定に関する実験。以下に順を追って成果の概要を述べる。 1)について。レキ面蒸発量は金網容器による秤量法で推定するが、これを用いるとき、重力水の速やかな排除に続いて、レキ表面被膜水の極めて緩慢な流下による二次的排水量の存在が見られる。この量(Wとする)の時間(t)との関係を明確にする室内実験を行った。その結果、W=a+b・1n(t)という関係式を得た。 2)について。ふたつの期間、すなわち10月16日〜11月10日と11月20日〜12月6日にわたりトマト培養液サンプルを採取するとともに、培養液タンク内水位の測定を毎日行った。また、その電気伝導度を測出した。次に培養液を構成する各球肥料成分イオン濃度の定量分析を実施した。その場合、各肥料成分のみの電気伝導度とイオン濃度に線形性が存在することは知られているが、培養液のように各種肥料が混合した場合にも線形性がみられるか否かははっきりしない。この点について、分析した結果、ほぼ線形性の存在が推定できた。 3)について。培養液消費量はほぼトマトの蒸発散量(蒸散量は茎葉蒸散流計によって測定)に等しいはずである。この実験は11月16、17日、12月6日および12月20日に実施した。その結果、トマト蒸散量はレキ面蒸発量の2〜5倍であった。
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