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1991 年度 実績報告書

島尻層泥岩における膠結作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02660243
研究機関琉球大学

研究代表者

小宮 康明  琉球大学, 農学部, 講師 (60101466)

研究分担者 新城 俊也  琉球大学, 農学部, 教授 (40045109)
キーワード島尻層泥岩 / 膠結作用 / 膠結物質 / 溶脱 / 細粒化 / 圧縮性 / 膨張性 / 剪断変形
研究概要

本邦に分布する新第三紀層泥岩は通常,堆積粘土とは異なる圧縮・剪断挙動,風化による短期間の著しい劣化などを示し,農業土木構造物の建設並びにその維持管理を行う上で問題となることが多い。このような軟質泥岩特有の工学的性質に関与している膠結作用を明らかにするため,沖縄島中南部地域に分布する島尻層泥岩について遊離の鉄酸化物,非晶質のシリカとアルミニウム酸化物,炭酸カルシウムをそれぞれ選択的に溶脱させ,(1)溶脱中の変形挙動,(2)溶脱に伴う団粒分布の変化,(3)溶脱に伴う圧縮・膨張・せん断特性の変化を調べ,膠結物質の特定とその機能について検討した。得られた結果は次のとおりである。
(1)遊離の鉄酸化物の圧密圧力6.4kgf/cm^2での溶脱中には膨張変形が生じ,溶脱による団粒の細粒化および圧縮性と膨張性の増大が認められ,遊離の鉄酸化物は膠結機能を有し,団粒内の膠結に強く寄与していることが推定された。
(2)非晶質のシリカ,アルミニウム酸化物の圧密圧力6.4kgf/cm^2での溶脱中には圧縮変形がややみられ,溶脱による団粒の細粒化と圧縮性・膨張性の増大が認められ,非晶質のシリカ・アルミニウム酸化物も膠結機能を有しているが,これらは団粒内ではなく,団粒間の膠結に寄与しているものと推察された。
(3)炭酸カルシウムの圧密圧力6.4kgf/cm^2での溶脱中には圧縮変形が生じるが,溶脱による団粒分布や膨張性の変化はあまり認められないことから,炭酸カルシウムは膠結物質としてよりも,むしろ単一粒子あるいは団粒の構成粒子として泥岩の構造形成に関与していると考えられる。
(4)膠結作用により圧密降状応力と有効応力表示の粘着力(剪断強度定数)は増大し,圧縮・膨張・剪断の各変形抵抗が強められていることが分かった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 小宮 康明,新城 俊也: "島尻層泥岩の力学特性に及ぼす膠結作用の影響" 農業土木学会九州支部講演集. 71. 180-181 (1990)

  • [文献書誌] 小宮 康明,新城 俊也: "島尻層泥岩における風化の進行とその工学的性質に及ぼす影響" 土と基礎. 39. 21-27 (1991)

  • [文献書誌] 小宮 康明,新城 俊也: "島尻層泥岩における膠結物質と膠結作用" 農業土木学会大会講演要旨集. 平成 年. (1992)

  • [文献書誌] 小宮 康明,新城 俊也: "島尻層泥岩における膠結作用に関する研究" 農業土木学会論文集.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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