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1990 年度 実績報告書

水利用型克雪の普及が農業用水の利用体系及び管理機構に及ぼす影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02660244
研究機関東京農業大学

研究代表者

中村 好男  東京農業大学, 農学部, 講師 (40078192)

キーワード流雪溝 / 水質汚濁 / 用水管理 / 維持管理 / 水利組合 / 土地改良区 / 水利運営
研究概要

本年度においては、東北地方の秋田県および山形県の実態に関する現地調査と資料収集を行い、以下のような研究成果を得た。なお、秋田県では横手市と湯沢市を、山形県は金山町を対象にした。
秋田県では、農業用率水路そのものを消・流雪溝として使用するほか、都市施設としての流雪溝整備も行われ、とくに湯沢市での整備の高いことがわかった。これは、市街地が扇状地上に形成され、その中心部を農業用水路が通過しているところから水源確保が容易で、流雪溝への送水はポンプ揚水であるため流雪溝整備が急速に進められたためである。しかし、流雪溝の拡張によって家庭雑廃水が用水路に流れ込んで水質汚濁が進み、このための希釈用水が必要とされていることが今回の調査で新たに判明した。横手市についても同様の問題が発生しており、このため、潅漑期での水利用形態に影響を及ぼすことが懸念される。しかし、用水管理の上からは、地域住民による用水路の維持管理が行われ、水や施設についての意識が向上してきている。
山形県では、農業用水の消・流雪利用は全般的に行われている。とくに金山町においては、農業用水路の管理のために水利組合を組織しているが、その受益者は本来は組合員という地位になるのであるが、ここでは会員として用水の運営組織の構成員となっているのである。今では、農家よりも非農家の方が多くなり、このような中で農業用水は消・流雪用として大きな役割を果たしているばかりでなく、通常の用水及び施設の維持管理においても住民参加型で行われている。ここでの事例は、今までとは異なった水利運営形態であることが判明した。
今後の課題としては、冬期農業用水の位置づけを明確にするとともに、土地改良区の運営と農業用水管理のあり方について検討することである。

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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