研究概要 |
試作した実験装置は、マイクロ波発振器より発生させた2.45Gzのマイクロ波を金属ファンで乱反射させ、乾燥室内振動板上の堆積籾に照射加熱するものである。供試材料は、1990年茨城産の生籾である。得られた実験結果は以下のとおりである。 (1)籾のマイクロ波乾燥において、籾は乾燥初期より減率乾燥を示し、乾燥速度は休止時間に影響を受けない。 (2)籾と玄米の乾燥性を比較すると、玄米は1.5〜1.8倍の乾燥速度を示すことがわかった。 (3)単粒水分間の標準偏差と十分位範囲を小さくするためには、マイクロ波照射中、堆積籾を流動・混合させて流動化することがきわめて有効であることがわかった。 (4)初期単粒水分のバラツキが大きい不均一籾は、マイクロ波乾燥が進むにつれて標準偏差と十分位範囲が小さくなり、分布の中心が尖りを増しながら低水分側に偏る傾向がみられた。 (5)初期単粒水分分布の範囲が標準偏差で約2.5%以上、十分位範囲で約7%以上の生籾はマイクロ波乾燥過程の追行につれて、尖りを増さずに標準偏差,十分位範囲が減少して行く。
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