研究概要 |
胴割れ率,精米歩留,砕米率,発芽率(Tを値)およびいわゆる食味値等の測定を行い,籾のマイクロ波乾燥方式の有効性を品質の面から検討した。得られた結果は次の通りである。 (1)マイクロ波照射時間と休止時間を適切に設定すれば,籾の迅速な乾燥とともに胴割れの発生を減少させることが可能である。 (2)精米歩留は,正味照射時間当り乾減率の増加とともに増加し,籾温度の増加とともに減少する。一方,砕米率は正味照射時間当り乾減率の増加とともに減少し,籾温度の増加とともに増加する。 (3)発芽率は,籾温度が高くなるほど低下する傾向が認められるが,顕著ではない。 (4)精白米のタンパク質含量,粘り値および食味値は,最も食味劣化が少ないといわれている低温乾燥法に比べてやや低い値を示すが,その差は無視し得る程度であり,マイクロ波乾燥方式による食味の劣化は認められない。
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