研究概要 |
粉粒体については,昨年度までに行った実験の結果,流量Qと樋の床面に平行で流下方向に作用する力F_Xあるいは樋の床面に垂直に作用する力F_Yは,Q=G_X・F_X,Q=G_Y・F_Yで表された。このG_X,G_Yは,流下粉粒体の特性,特に動摩擦係数μによって変動することが明らかになり,二方向に作用する力の比F_X/F_Yからμを求め,G_XあるいはG_Yの値を算出して,流量Qを演算・表示するデジタル指示計を試作したが,種々問題点がみられた。そこで,この指示計の歪測定,増幅,演算,入出力回路について再検討した。試料として,主に籾を用いて実験を行い,指示値と実流量の関係から,指示値に誤差を生じる原因を検討し,歪測定回路の平衡調整幅,演算回路の積分時間,連続測定中に生じる0点の移動を補償する方法等に対する改良を行った。 液体については,昨年に引き継き,水路の角度を30°,45°,60°の3段階に設定し,流量を四角ぜきを用いて1.5〜0.1l/sの範囲で5〜6段階に調整して実験を行った。供試液体には主に水を用いたが,液体の質量によって生じる水路の床面に垂直な荷重(Z)と液体の粘性によって生じる床面に平行な流下方向の荷重(X)とは,両者ともに流量の増加に伴って荷重の増加割合が減少する指数曲線的な傾向を示すことを確認した。流体の場合には,流量が増加すると流下速度が指数的に増大することによってZ方向の荷重が相対的に減少し,X方向の荷重は流路と液体が接触する面積の増加割合,流況の差異にも影響を受けることが考えられる。 本研究は,平成2年度から4年度の間に行うことになっているので,この間における成果を現在,総括的にとりまとめ中であり,近く報告書として印刷完了する。
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