研究課題/領域番号 |
02660257
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
國府田 佳弘 琉球大学, 農学部, 教授 (20038186)
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研究分担者 |
屋 宏典 琉球大学, 農学部, 助教授 (10177165)
秋永 孝義 琉球大学, 農学部, 助教授 (60045135)
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キーワード | 野菜 / 圧縮成形 / 圧縮乾燥野菜 / 含水率 / 復元特性 / 剪断抵抗 / 細胞破壊 / Texture |
研究概要 |
コンプレス食品は凍結乾燥食品よりも見かけの容積がはるかに小さく、また品質保持が容易で貯蔵・輸送に有利である。その加工技術開発に必要な基本加工特性、復元特性、復元機構及び栄養変化についての知見を求めた。 1.基本加工特性については柔軟度が異なるチガヤ、キャベツ、アップルミントの3種について圧縮試験をした結果、チガヤは機動細胞が破損され復元不能であり、キャベツは含水率18%以下では組織が破壊され28%では葉脈部が乾燥不十分であった。またアップルミントのような柔軟なものは圧縮成型そのものが不能となった。このことから野菜等の圧縮特性の支配因子は含水率であり、圧縮加工に対する適正範囲は19〜27%であることがわかった。 2.復元特性についてはキャベツ及びハクサイの2種類の野菜を試料とし、復元後のTexutureを求めるとともに復元された試料の細胞の健全度を調査したところ、剪断強さの減少度についてはキャベツの方が大であるなどの差が認められたが、細胞の破壊には圧力の影響よりは含水率の方が影響が大きく、ここでも水分が支配因子であることがわかったが、その範囲は圧縮加工適正範囲よりも狭く20〜24%であった。 3.圧縮野菜の復元のメカニズムについては昨年の推論が実証された。即ち、(1)乾燥した細胞壁のペクチンの層で分子間に、さらにはセルロ-スの間にも水分子が入り込み柔軟性と靭性を回復する。(2)細胞内に徐々に吸水され細胞は浸透圧によって原状を回復し、細胞内の連続体である組織が形状を回復することが認められた。 4.栄養価の評価と圧縮成形時のエネルギ収支についても試験をする計画であったが、いずれについても使用計器の不具合で報告に値するものが得られなかったので引き続き研究を行う。
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