研究概要 |
本研究は,牛の妊娠血清より早期妊娠因子(EPF)を抽出して,Ko^^¨hlerとMilstein(1975)の方法で,EPFーMoAb(EPFモノクロナル抗体)を作る。また、各種の免疫学的方法によりその特異性を検討して,応用としての酵素免疫測定法(ELISA)の測定系を開発することを目的とした。 人工授精により妊娠させた1頭のホルスタイン種雌牛(これは後の直腸検査とロゼット抑制試験=RITによって妊娠が確認された)を,人工授精後8日目にと殺,血液24lを集めた。血漿に分離した後,非働化して,EPF抽出の材料とした。 EPFの抽出は,WiLSONら(1983)とYAMAMOTOら(1989)に従って実施した。すなわち,最初,透析装置によって100KD以上を除去した。そこで870mlまで濃縮した後,イオン交換DEAEセファロ-ズ,CMーセファロ-ズ,MPLCなどを通して分画した。そこで,RIT値を測定してEPFの高い分画を集めた。EPF・MoAbの作製は,Ko^^¨HLERとMILSTEIN(1975)の方法によって作製した。すなわち,近交系BALB/cマウスにEPF分画を注射し,腹水からEPF・MoAbを得た。特異性の検討は,OUCNTERLONY,免疫電気泳動イムノブロッテングなどにより現在,行っている。さらに,ENGVAL(1971)の方法により酵素免疫測定(ELISA)に応用する予定で実験を進めている。現在までに次の結果が得られている。 1)今回のEPF抽出法で,20〜22KDの4つのバンドが妊娠血清に検出され,その3本は非妊娠血清に検出されることから,21.5KDの分画がEPFと推定された。2)等電点電気泳動から,これら4つのバンドはいずれもpH5近くで検出された。3)EPF・MoAbについて,現在スクリ-ニングを実施中である。
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