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1992 年度 実績報告書

家畜卵巣の器官凍結保存法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 02660274
研究機関京都大学

研究代表者

宮本 元  京都大学, 農学部, 教授 (00026618)

キーワードラット卵巣 / 超低温保存 / ガラス化法 / 器官倍養 / 卵胞 / 細胞傷害
研究概要

1週齢のWistar系ラットの卵巣をガラス化法により処理し、器官培養により生存性を検定した。ガラス化法では、摘出した卵巣を一部改変を加えたRallらのVS1に段階的に曝露した後、少量のVS1と共に液体窒素に投入し急速冷却した。液体室素中に30分間以上保持した後、氷水中で急速加温し、段階的希釈法か0.5Mサッカロース加PBSによる希釈法で保護物質を除去した。器官培養法は、50g/mlピルビン酸ナトリウムと10%FCSを含むEagle's MEMを培養液として用い、培養液の液面に保持したメンブランフィルター上に卵巣を置き、4日間培養した。冷却・加温後の卵巣と、対照として無処理の卵巣と保護物質の添加・除去のみを行なった卵巣を培養した。培養後の卵巣は常法により固定包埋し光顕による観察を行い、卵母細胞および顆粒層細胞に著しい損傷の認められない卵胞を生存卵胞として計測した。1卵巣中の1層以上および2層以上の顆粒層細胞を持つ卵胞数は、無処理の卵巣、保護物質の添加・除去のみを行なった卵巣およびガラス化冷却後の卵巣でそれぞれ91.1±29.9、91.4±41.6、および24.7±28.8(平均値±標準偏差)で、ガラス化冷却後の卵巣では無処理の卵巣および保護物質の添加・除去のみを行なった卵巣と比較して有意に減少し、液体窒素中での冷却と加温による傷害が大きいことが示唆された。また、ガラス化冷却後培養した卵巣では特に顆粒層細胞中に核や細胞質が濃縮しエオジンに濃染する死細胞が散在する卵胞が多数認められた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] H.Miyamoto: "Cryopreservation of rat ovaries and pieces of goat ovarian tissue" Proceeding of the 12th International Congress on Animal Reproduction. 3. 1460-1462 (1992)

  • [文献書誌] 宮本 元: "臓器の凍結保存における問題点 I.細胞の凍害機構と臓器凍結保存の現状" 家畜繁殖技術研究会誌. 14. 189-196 (1992)

  • [文献書誌] H.Miyamoto: "Cryopreservation of rat ovaries" Experientia.

  • [文献書誌] M.Shimo: "Morphological Profile of germinal vesicles of mouse oocytes" Jounal of Reproduction and Development. 38. 151-157 (1992)

  • [文献書誌] E.Sato: "Time-related morphological changes of porcine ovarian granulosa cells incubated with urea-EDTA solution" Journal of Veterinary Medical Science. 54. 319-323 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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