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1991 年度 実績報告書

トレハロ-スを用いた鶏精液の新凍結法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02660279
研究機関広島大学

研究代表者

寺田 隆登  広島大学, 生物生産学部, 教授 (60034477)

キーワードトレハロ-ス / 鶏精子 / 凍結保存 / 凍結保存用希釈液 / 精子の耐凍結 / 希釈液の浸透圧 / 希釈液のpH / グリセリン
研究概要

鶏精子の凍結保存に関する研究は哺乳類の精子、特に牛精子に先駆けて1941年に開始された。ところが、牛精子の凍結保存が1950年代に既に実用化されたのにたいして、鶏精子の凍結保存は未だ実用化されていない。しかし、1988年にTeradaらが、トレハロ-ス主体のHiroshima希釈液(HS)を開発し、この希釈液で鶏精子液を錠剤凍結し、人工授精して90%を越える高い受精率を得た事から鶏精液の実用化が一段と期待されるようになった。しかし、HSは開発された後、至適浸透圧、至適pH及びその液に添加する至適グリセリン濃度等については十分検討されていない。そこで本研究では、鶏精液の凍結保存法を実用化する目的で、HSの改良、HSに加える至適グリセルン濃度及び採精頻度と精子の耐凍性との関係について検討した。
(1)310〜400mOsmの浸透圧に調整したHSを用いて錠剤化凍結し、融解した精子の運動性及び融解精液精漿の乳酸脱水素酵素が(LDH)活性を測定した結果、HSの至適浸透圧370mOsmであることが明らかになった。 (2)pH6.6〜7.8に調整したHSについて検討し、HSの至適pHは、7.2である事が判明した。 (3)HSに添加するグリセリンの最適濃度を検討するために、最終濃度で4〜15%のグリセリンを添加したHS凍結し、融解精子の生理的及び生化学的状を比較した。その結果、HSに添加するグリセリンの至適添加濃度は、9%であると結論された。 (4)1日に数回採算精した精液をHSで希釈・凍結し、採精頻度と精子の耐凍能との関係を調べた。数回境精しときの後の精子ほど耐凍能は高いことが明確にされた。 (5)精子の耐凍能に精子密度の違いが関与するか否かを検討した。精子の耐凍能には凍結時の精子密度が関与することが明らかにされた。以上の事から、HSを用いた凍結保存法を精子密度を考慮して改良すれば、HSを用いた鶏精子の凍結保存法が実用化出来ると結論された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Maeda,T.;Tatemoto,H.;Terada,T.and Tsutsumi,H.: "A convenint method evaluation of frozenーthawed damahge to acrosomes of fowl spermatozoa using a gelatin substrate slide" Jpn.Poult.Sci.27. 66-71 (1990)

  • [文献書誌] 栩木 英利,伊藤 巧,前田 照夫,寺田 隆登: "鶏精子凍結保存希釈液(Hiroshima希釈液)の浸透圧、pH及びそれに加えるグリセリング濃度について" 日本家禽学会誌(秋季大会号). 27. 3 (1990)

  • [文献書誌] 栩木 英利・前田 照夫,寺田 隆登: "鶏存結精液の融過程及びグレセリン除去過程におけるシュ-クロ-スの効果について" 日本畜産学会関西支部会報.

  • [文献書誌] 寺田 隆登,芦沢 幸二: "性腺のバイオメカニズム" アイピ-シ東京, 31 (1990)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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