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1990 年度 実績報告書

家禽精子の膜機能に関する遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02660281
研究機関九州大学

研究代表者

藤原 昇  九州大学, 農学部, 助教授 (60150512)

キーワード家禽 / 精液 / 精子 / 膜 / 受精能力 / 低温保存 / 凍結保存 / 人工授精
研究概要

家禽精子の膜の機能は種々の条件によって大きく変化することを前回の研究で明らかにした。この膜の機能が雄家禽の個体によって差異が認められるか否かについての検討は余りなされていない。著者の共同研究者であるカナダ・マッギ-ル大学農学部のバックランド博士と著者との研究で、精子の耐凍性を指標として雄鶏を選抜育種し、その系統と通常鶏を用いて精子の膜の透過性について検討した例がある。その結果は、系統間で精子の膜の機能に大きな変異のあることを示唆しているそこで今回は、通常に飼育されている家禽(主として鶏)の精子の膜の機能について、アミノ酸あるいはグルコ-スの膜による取り込みについて比較検討し、さらに膜の構成々分である脂質の過酸化に関しても、雄鶏個体間に相違があるか否かについても比較検討を行った。得られた結果を要約すると次の通りである。
(1)雄鶏の個体によって、精子の膜の機能が著しく異なるという現象が認められ、とくに市販されている雄鶏の場合に顕著であった。とりわけ精子の機能、すなわち精子の活力(運動性)あるいは体外における生存性との相関々係もかなり高くなる傾向が示され、精子の生理作用(機能)に及ぼす精子の膜の影響も大きいことが示唆された。
(2)つぎに精子の受精能力について見ると、射出直後の新鮮精子の場合、人工授精を行って検討した結果、雄鶏個体間における差異とは必ずしも関連性は認められなかった。しかし、本実験では雌の側からの要因も考えられ、精子の機能と雌の生理作用との関係についても検討を加えることが必要であろう。
(3)凍結融解した精子の機能と膜の関連性について若干検討を行ったが、これともかなり高い相関々係があるものと推察された。この件については上記の低温保存の場合とも関連しており、今後検討したい。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Noboru Fujihara & Osamu Koga: "Uptake of αーaminoisobutryric acid (AIB) by rooster spermatozoa" AsianーAustralasian Journal of Animal Science. 3. 91-96 (1990)

  • [文献書誌] Yasuhiro Tsuzuki,Noboru Fujihara,Takayuki Mori & Osmau Koga: "The ultrastructural changes of bovine embryos after Freezeーthaw" Science Bulletin of Faculty of Agriculture,Kyushu University. 45. 63-69 (1990)

  • [文献書誌] Noboru Fujihara & Osamu Koga: "Observations of the dorsal proctodeum of the cloacae of male ducks (Anas platyrhynchos)" Proceedings of the 4th Conference of WPSA Far East and South Pacific Federation,Taiwan,. 1. 36 (1990)

  • [文献書誌] Noboru Fujihara,Hisayoshi Nishiyama & Osamu Koga: "Physiological characteristics of semen and spermatozoa in the domestic bird." Proceedings of 5th AAAP Animal Science Congress,Taiwan. 3. 306 (1990)

  • [文献書誌] Noboru Fujihara: "Comparative physiology of avian semen and spermatozoa" Beijing International Symposium on Reproductive Biology. 1. 41 (1990)

  • [文献書誌] Noboru Fujihara & Osamu Koga: "Transport of αーaminoisobutryric acid (AIB) into turkey spermatozoa" Life Science AdvancesーPharmacology. 2. (1991)

  • [文献書誌] 藤原 昇(分担執筆): "性腺のバイオメカニズム" (株)アイピ-シ-, 24 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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