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1990 年度 実績報告書

暖地型牧草の反芻胃内消化に及ぼす牧草無機成分の相互関連に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02660282
研究機関九州大学

研究代表者

五斗 一郎  九州大学, 農学部, 教授 (60038180)

研究分担者 下條 雅敬  九州大学, 農学部, 助手 (50136545)
増田 泰久  九州大学, 農学部, 助教授 (60038263)
キーワード暖地型牧草 / 反芻胃内消化 / セルラ-ゼ / 無機成分 / 物理・化学処理
研究概要

本研究は,反芻家畜の牧草消化に対する牧草無機成分の可溶性ケイ酸(Si)及びカルシウム(Ca)の役割に着目し,繊維分解酵素,セルラ-ゼ(Cーase)と可溶性Siの相互関係及びCaの関与について,暖地型牧草の消化率を指標として検討するとともに,暖地型イネ科牧草の物理・化学処理と消化率及びSiの変動との関連についても追究したものである。供試暖地型牧草は,オ-ストラリアで収集した消化率が同様でCa含量の異なる3組6種類のパンゴラグラス(Pg)及び九大圃場で栽培したSiとCa施用量の異なるグリ-ンパニック(Gp)とファジ-ビ-ン(Pb)並びにロ-ズグラス(Rg),Gpとギニアグラス(Gg)である。
現在までに得られた主な研究結果は以下のとおりである。
1.暖地型イネ科牧草の有機物消化率(OMD)に及ぼすCーase濃度と可溶性Si含量との関係:Pgを供試し,Cーase溶液を用いSi添加のもとで人工消化試験を行った結果,Si添加により牧草のOMDは低下する傾向が認められた。その際Cーase2.5%とSi800ppm及び1.25%と400ppmとの比較で,OMDの低下がほぼ等しいことから,CーaseによるOMDの低下は添加Si含量の増加に対応することが推察された。
2.暖地型イネ科牧草CaのCーase溶液培養による溶出:供試Pgのin vitro OMDは40.9〜52.2%,Ca含量は0.13〜0.47%の範囲を示した。2.5%Cーase液48時間培養により84.7〜95.0%のCaが溶出することが認められた。
3.物理・化学処理による暖地型イネ科牧草消化率とSi含量の変動:Rg,GpとGgを供試し,山羊第一胃液による人工消化試験の結果,蒸煮(180℃,10分)処理によりリグニン(ADL)は増加するがSiは減少し,in vitro乾物消化率(OMD)は増加した。アンモニア(3%,4週間)処理によりADLとSiは減少し,DMDは増加した。水酸化ナトリウム(9%,24時間)処理によりADLとSiは減少しDMDは改善されることが認められた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 下條 雅敬: "暖地型イネ科牧草の物理・化学処理による栄養価値改善 1.蒸煮処理が化学成分及び乾物消化率に及ぼす影響" 日本草地学会誌. 36. 184-190 (1990)

  • [文献書誌] 下條 雅敬: "暖地型イネ科牧草の物理・化学処理による栄養価値改善 2.水酸化ナトリウム浸漬処理が化学成分及び乾物消化率に及ぼす影響" 日本草地学会誌. 36. 191-196 (1990)

  • [文献書誌] 下條 雅敬: "暖地型イネ科牧草の物理・化学処理による栄養価値改善 3.アンモニア処理が化学成分及び乾物消化率に及ぼす影響" 日本草地学会誌. 36. 197-202 (1990)

  • [文献書誌] 五斗 一郎: "暖地型イネ科牧草の消化に及ぼすセルラ-ゼと可溶性シリカの関連" 九州大学農学部学芸雑誌. 46. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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