研究課題/領域番号 |
02660283
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
松尾 照雄 佐賀大学, 農学部, 教授 (10039315)
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研究分担者 |
小林 真 佐賀大学, 農学部, 助手 (70039337)
内田 進 佐賀大学, 農学部, 助教授 (00038275)
岡本 悟 佐賀大学, 農学部, 教授 (00041640)
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キーワード | 放卵周期 / 光周期 / アヘメラル日周期 / 照度 / 家禽 / 日本ウズラ |
研究概要 |
本研究は、家禽の産卵性向上を目的として、従来の産卵率の限界を超える新光線管理技術を開発しようとするものである。一般的に、家禽の放卵周期及び放卵間隔は日周期の長さに左右されるから、人爲的に、一日の長さを24時間から21ー23時間に短縮すると、放卵周期は短くなり、放卵間隔も24時間以下になって、24時間当たり産卵率は上昇すると考えられる。しかし、実際には、産卵中の家禽を24時間以下の光周期下で飼養すると、通常の強さの光条件では、放卵リズムを光周期に同調させる要因の働きが弱く、24時間周期の場合より、放卵間隔はかえって長くなった。そこで、高照度の光を与えることによって、点灯刺激と考えられる光周期同調要因を強化し、放卵リズムを光周期に強く同調させ、産卵率の増加を図ることにした。実験設定として、中照度区(慣行的照度の70lux)及び高照度2区(1,000luxと2,000lux)の計3区を設け、23時間及び22時間の2種類の日周期を与えて日本ウズラを飼育し、放卵時刻自動記録装置の使用によって、個体別の産卵状況を正確に調査し、光周期に対する放卵リズムの同調性(最頻値8時間内の産卵割合)を調査した。その結果、中照度の場合は、23時間周期における同調性は低く、全個体が個体特有の自由継続リズムを示した。これに対して、高照度の場合は、22時間日周期に対しては、ごく僅かな個体だけしか光周期に同調しなかったが、23時間日周期に対しては、供試した全個体が同調し、高照度条件にすると、放卵リズムは24時間以下の日周期にもよく同調するという新知見が得られた。今後、実験期間の延長、供試羽数の増加、新対照区の設定など、実験デ-タの信頼性を高めることに努め、精密な実験結果が得られる処置を講じ、鳥類における放卵リズムの同調性に対するアヘメラル(非24時間)日周期と高照度条件との関係について、決定的な知見を得たいと考えている。
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