研究概要 |
アドレナリン作動性神経における内因性PGSの影響:下腹神経前線維を20Hzで7秒間刺激すると速い立ち上がりの収縮に続いて持続性の収縮が見られる。前者は主としてATP,後者はノルアドレナリン(NAd)由来の収縮である。PGE_2は,収縮の発現を遅らせ,最大収縮高を高める。標本をプラゾシンで前処置しておいた場合にも同様の現象が見られた。又,α,βーメチレンATP前処置によりATP相をブロックしておいた場合にはPGE_2は濃度依存性に特続性の収縮相を中等度に増強した。以上の事実はPGE_2がATP収縮を著しく,又,NAdを中等度に増強すめ事を示唆する。この示唆は,authernticなATP及びNAdが収縮に対するPGE_2の影響からも確かめられた。(発表論文No.2) モルモット腸節神経叢よりのACh放出に対する内因性PGsの影響:P物質(SP)及びニコチン様刺激薬DMPPによるACh放出はインドメタンシンにより抑制され,PGE_2により回復する。フォスフォリパ-ゼA_2阻害薬であるメパクリンはDMPP,SPによるACh放出をインドメタンシンと同程度に抑制し,その作用はアラキドン酸により拮抗される。5ーHT,電気刺激によるACh放出も又,メパクリンにより抑制されるがアラキドン酸によっては回復しない。此等の結果は,腸筋神経叢よりのACh放出の維持には,PGsが寄与するものとアラキドン酸が寄与するもの2つの機序がある事を示している。(発表論文No.3)ニコチン誘導性ACh放出におけるPGsの効果は,アデニ-ルシクラ-ゼ刺激薬(フォルスコリン),細胞内cAMP分解抑制薬(IBMX)により模放される。一方,自発性ACh放出はPGE_2では回復するのに上記薬物では回復しない。此等の結果は,内因性PGはニコチン等による刺激に知するニュ-ロンの興奮性維持に重要であが,その効果は,細胞内cAMPレベルを上昇さす事によって行われている事を示している。(発表論文No.4)
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