研究課題/領域番号 |
02660330
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
荒川 皓 大阪府立大学, 農学部, 教授 (50128758)
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研究分担者 |
深田 恒夫 大阪府立大学, 農学部, 助手 (80081595)
馬場 栄一郎 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (70081594)
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キーワード | Eimeria tenella / Salmonella typhimurium / 接着性 / 腸粘膜 / 走査電顕 / 無菌鶏 |
研究概要 |
Eimeria tenella に感染した鶏の盲腸内では、腸内細菌叢の変動が起こり、サルモネラやクロストリジュム等が増加する。これらの病原菌が腸管内で増殖するためには、前段階として粘膜表面に接着する必要がある。本研究費によって、盲腸粘膜へのサルモネラの接着性に及ぼすE.tenella感染の影響を調べた。 普通鶏および無菌鶏を、それぞれE.tenella感染群と非感染群に分けた。E.tenella投与後7日目に盲腸を無菌的に取り出してSalmonella typhimuriumの浮遊液を注入し盲腸粘膜に対する接着菌数を算定した。また、サルモネラが盲腸粘膜に接着している様子を走査型電子顕微鏡で観察した。 S.typhimuriumの接着菌数は普通鶏でも無菌鶏でもE.tenella感染によって有意に増加した。この接着菌数の増加がE.tenella感染後の腸内フロ-ラの変化に直接影響を及ぼすと思われる。走査電顕による観察では、非感染鶏で菌が粘膜細胞に微絨毛に横たわるように接着しているのに対し、E.tenella感染鶏ではとくにS.typhmuriumが粘膜の損傷部に粘液様物を伴って接着している様子が見られた。E.tenella感染によって引き起こされる粘膜の損傷は、異常に接着面の露出や細菌の接着性に関係する粘液様物に関係があることが判明した。 現在、サルモネラ接着性の変化に関係するメカニズムの解明のために、粘膜表面のサルモネラと糖残基の量的変化を組織化学的な方法と位置的な関係を検討中である。
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