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1990 年度 実績報告書

好中球の刺激応答における膜裏打ちタンパク質の関与とその分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 02670008
研究機関京都大学

研究代表者

藤本 豊士  京都大学, 医学部, 助教授 (50115929)

キーワード好中球 / 膜裏打ちタンパク質 / フォドリン / バンド4.1 / 走化性
研究概要

(1) ヒト好中球を走化性ペプチドで刺激し、アクチン、スペクトリン、バンド4.1の局在を経時的に観察した。非刺激状態の好中球では、アクチン、スペクトリン、バンド4.1は細胞全体にほぼ均一に分布するのに対し、走化性ペプチドで刺激され、形態的に分極化した好中球では、アクチンは頭部に、スペクトリンは尾部に各々集中し、一方、バンド4.1は細胞接着面の細胞前端付近と尾部細胞質に顆粒状に認められた。
(2) スペクトリンの尾部への局在化は、走化性ペプチドで刺激した後、25℃、2〜3分で約60%、5分で約70%の細胞に認められるきわめて早い現象であったが、その割合は10分後から減少し始め、60分後には約20%の細胞に見られるに過ぎなかった。underーagarose法を用いて、走化性ペプチドの濃度勾配を形成させると、これに沿って遊走する細胞では、2時間後にもスペクトリンの尾部への集中が認められた。
(3) 免疫電顕法により、スペクトリンは好中球の細胞膜ではなく、細胞質表層の細胞骨格に存在することが明らかになった。この分布は赤血球やリンパ球の場合と明らかに異なっていた。一方、バンド4.1は細胞質に見られる顆粒の周囲に局在していた。
(4) 以上の結果は、スペクトリン、バンド4.1などの膜タンパク質が、走化性ペプチドによって好中球に惹起される遊走、貧食、あるいは脱顆粒などの過程で重要な役割を演ずることを示すものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Fujimoto: "Fodrin in the human polymorphonuclear leukocyte:redistribution induced by the chemotactic peptide." Journal of Cell Science. 96. 477-484 (1990)

  • [文献書誌] 藤本 豊士: "ヒト好中球のバンド4.1タンパク質" 解剖学雑誌. 65. 265 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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