研究課題/領域番号 |
02670015
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
村田 長芳 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60020765)
|
研究分担者 |
加塩 信行 鹿児島大学, 医学部, 助手 (20224389)
井樋田 香織 鹿児島大学, 医学部, 助手 (60184793)
津山 新一郎 鹿児島大学, 医学部, 講師 (30041346)
|
キーワード | カチオン化コロイド金 / 酸性複合糖質 / 硫酸化複合糖質 / シアル化複合糖質 / 物理現像 / 酢酸銀 / 暗視野 / ゴルジ装置 |
研究概要 |
本年度は主に硫酸化複合糖質の組織化学的証明法の開発と改良を中心に研究を行なった。 1)カチオン化コロイド金を用いた酸性複合糖質の染色法の開発。 コロイド金は陰性荷電をしているが、polyーLーlysineとcomplexを作る事によりカチオン化コロイド金を作り、この染色液のpHを変える事でポリアニオンの染色をして用いられる方法を開発した。この染色法は光顕、電頭両レベルで染色可能であり、光顕の場合明視野、暗視野両方での観察が可能である。従来、酸性複合糖質の染色法として開発されたものは沢山あるが、光顕、電顕両レベルで共に用いるような優れた染色法はなかった。本法をpH2.5で用いればシアル化した複合糖質が、pH1.0用いれば硫酸化複合糖質が染色出来ると考えられ将来の発展が期待できる。この方法で解析した結果、シアル化も硫酸化も共にゴルジ装置のtrans側で行なわれている事が判明した。 2)硫酸化複合糖質の証明法としての高鉄ジアミン染色法の改良。 この方法はSpicer教授により開発された方法であるが、電顕レベルでの染色の改良法としてチオカルボヒドラジドと蛋白銀を染色過程に加える方法がSannes等により報告された。今回の方法は、これに加えて物理現象を施し、染色感度を更に高めた改良法である。蛋白銀のステップ迄は、従来の染色法と同じであるが、物理現象の銀イオンの供給試薬として酢酸銀を導入した。従来までは、硝酸銀、乳酸銀などが銀イオンの供給試薬として用いられて来たが、これら両者とも光感受性で、現象を明るい部屋で行なう事が出来ず、その結果染色のコントロ-ルは困難を極めたが、酢酸銀は明室で現像が出来、染色のコントロ-ルが大変容易になった。物理現像を施す事で感度は数百倍に上昇し、本法を用いて硫酸化の行なわれる場所を電顕レベルで観察したところゴルジ装置のtrans側である事が判明した。
|