研究課題/領域番号 |
02670036
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
藁科 彬 新潟大学, 医学部, 助教授 (50064580)
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研究分担者 |
平野 鉄雄 新潟大学, 医学部, 講師 (50092721)
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キーワード | 副腎髄質 / カテコルアミン分泌 / 細胞内カルシウムストア / ムスカリン / ブラジキニン / ヒスタミン / ホルボルエステル / カルシウム感受性色素(fluoー3) |
研究概要 |
ラット副腎の潅流標本を使用し、ムスカリン、ブラジキニン、ヒスタミン等の受容体を介する副腎髄質細胞の分泌応答におけるCa^<2+>の動員機構につき研究を行った。Ca^<2+>感受性蛍光色素(fluoー3)を使用した細胞内Ca^<2+>濃度の変化の測定と電気化学検出器によるカテコルアミン分泌の連続測定の実験から以下の知見を得た。 1.上記の各受容体を連続刺激すると、細胞内Ca^<2+>濃度が一過性(1ー2分間)に大きく増大する成分と、弱いが刺激の期間中持続する成分とが見られた。この初期と持続の二相は分泌強度の時間経過とよく一致しており両者に強い相関のあることを示した。 2.ブラジキニン、ヒスタミンによる初期相のCa^<2+>上昇と分泌は、ニコチン刺激時のそれらとは異なり、Ca^<2+>チャンネルの遮断剤であるニフェジピンで抑制されず、外液Ca^<2+>濃度の低下に対し一定の抵抗性を示した。更に、細胞内Ca^<2+>ストアからのCa^<2+>遊離を阻害するTMBー8が初期相のみを特異的に抑制することから、この成分の少なくとも一部は、リセプタ-刺激後の細胞内情報伝達物質の産生による細胞内ストアからのCa^<2+>遊離に基くものであることが示唆された。 3.一方、持続相のレスポンスは外液からのCa^<2+>の導入によると考えられるが、ニフェジピンで抑制されず、導入経路はLー型Ca^<2+>チャンネルを介するものではないことを示した。 4.Phorbol ester(PDBu)によるprotein kinase Cに賦活はムスカリン刺激による分泌の初期相を抑制するが持続相には影響せず、この二相は異なるGTPー結合蛋白により仲介されるプロセスである可能性を示唆した。
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