研究概要 |
1、IN VIVOでのストレスの影響 マウスを拘束ストレスに曝し、ストレス下での[3H]ドパミン、[3H]ロイシンの取り込みを調べた。 [3H]ドパミンの取り込みは、ストレスにより抑制された。この抑制は副腎の除神経をすることで消失した。このことは、ストレスにより交感神経活動が増加し、カテコ-ルアミンが放出される時、カテコ-ルアミンの副腎髄質への再取り込みを抑制し、そのの効果を増強させるためと考えられる。 一方、[3H]ロイシンの取り込みはストレスにより増加した。除神経は取り込みを抑制し、ストレス中の取り込み増加は除神経で消失した。ロイシンのように、分泌顆粒内容(カテコ-ルアミン以外の)を構成するアミノ酸は、ストレス下での開口分泌で失われたこれらの内容物の再合成に使用されるので、ストレス中に取り込みが増加するものと考えられる。 ストレス下で分泌される神経ペプチドを予め投与しておいた動物での取り込み実験は現在進行中である。 2、遊離副腎髄質細胞を用いての[3H]ドパミンの取り込み マウスの副腎を取り出し、皮質を取り除いた後collagenaseで細胞を遊離させた。洗浄後、ストレス時に放出されるペプチドなどをいれたメディウムでインキュボ-トし、[3H]ドパミンを取り込ませた。 [3H]ドパミンの取り込みは、ブラジキニン,アンギオテンシンII,ニュ-ロテンシン,VIP,サブスタンスPで抑制された。ストレス下で放出されるこれらの物質は、副腎髄質細胞へのカテコ-ルアミン再取り込みを抑制し、ストレス時に必要とされるカテコ-ルアミンの効果を延長していると考えられる。
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