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1990 年度 実績報告書

運動時における血液循環調節の小脳機序

研究課題

研究課題/領域番号 02670070
研究機関大分医科大学

研究代表者

山田 直子 (西丸 直子)  大分医科大学, 医学部, 助手 (60101086)

キーワードcerebellum / cardiovascular control / renal sympathetic nerve activity / nodulus / systemic blood pressure / tilt / awake / rabbit
研究概要

運動時には必要に応じて血液循環の調節が行われるが、酸素やブドウ糖などの不足が生じてからこれを補うというだけでなく、予め血液流量を増して運動開始後の必要に備えるという予測制御的な面がある。このような予測制御の場として小脳が考えられる。本研究では、申請者らがこれまで明らかにした血液循環に関与する小脳の小領域3ケ所について、実際の姿勢、歩行、走行時にどのように血液循環調節を行っているか、慢性的に記録及び刺激電極を装着したウサギを用いて解明することを目的とした。本年度は、ウサギに動脈及び静脈カテ-テル及び腎交感神経活動記録用ステンレスワイヤ-双極電極を装着し、体血圧および神経活動の覚醒時記録の方法を確立した。その結果、装着後1週間にわたって記録することができた。そこで正常および小脳の循環調節部位の1つである小脳虫部垂及び小節を破壊した慢性ウサギにおいて、安静覚醒時及び体位変換時の体血圧及び腎交感神経活動を記録し、分析を行った。その結果、正常のウサギにおいて安静覚醒時には体血圧はあまり変動せず、交感神経活動は心拍と同期して変動を示した。呼吸性変動は顕著でなかった。20秒間、頭側を30度挙上すると交感神経活動は増加し、体血圧は減少する傾向がみられた。一方、尾側を30度挙上すると反応は逆になった。どちらも数秒以内にほぼ安定した。予備実験の段階ではあるが、小脳の循環調節部位を破壊したウサギでは安静覚醒時には体血圧および腎交感神経活動の変動が大きく、数十秒にわたり周期的変動がみられた。すなわち、正常で行われている体位変換時の血液循環調節にこの部位が重要な役割を担っていると考えられる。来年度も引続き、以上の研究を行い、この小脳循環調節部位の調節機構を解明して行きたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Okahara,K.: "Climbing and mossy fiber projection to the cerebelar vermis from vagal afferent nerves in rabbits." Jpn.J.Physiol.40(suppl). S684 (1990)

  • [文献書誌] 西丸 直子: "体位変換時における無麻酔家兎交感神経活動の変化" 日本生理学雑誌(西日本生理学会発表抄録). 53. (1991)

  • [文献書誌] 岡原 圭三: "家兎小脳循環調節部位(VIIa)への迷走神経入力は登上線維を経る" 第68回日本生理学会大会. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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