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1990 年度 実績報告書

GTP結合蛋白の質的変動を惹起する要因の検討(MEKA様蛋白を介するGTP結合蛋白間の相互調節機構の解明)

研究課題

研究課題/領域番号 02670084
研究機関大阪大学

研究代表者

渡辺 康裕  大阪大学, 医学部, 講師 (90127324)

研究分担者 三木 直正  大阪大学, 医学部, 教授 (40094445)
キーワード質的変動 / GTP結合給白 / リチウム
研究概要

ラット脳より部分精製した阻害性GTP結合(Gi)蛋白の質的変動を観るための基礎的デ-タを蓄積した。そのα,β,αサブユニット三量体の解離は,Birnbaumerらの方法に従い,精製Gi蛋白をショ糖勾配上に静置後、超遠沈により得られた各分画を百日咳毒素にてADPーribosylationを行ない,オ-トラジオグラフ上にて解析した。無処置Gi蛋白三量体は4Sの沈降定数を示し,50mMMg^<2+>,100μMGTPrSによる前処置により,2Sの沈降定数を示し,後者の条件下にて,三量体は,αサブユニットとβαサブユニットに解離したと考えられた。リチウムイオン(Li)のG蛋白に対する作用点を探るために,以下の研究を行なった。Li2mMをNG108ー15細胞に加えて数日間培養したが,Gi蛋白に対する抗体を用いたimmnnoblot上、変化はなく,LiはGi蛋白に量的な変動を生じさせなかった。次に,Liにて生じるGi蛋白の質的変動を知るため以下の研究を行なった。(1)前述のGi蛋白三量体の解離に対し,Liは,その三量体形成,解離共に影響しなかった。(2)ラット心筋細胞,脳,大動脈,ヒト血小板において,百日咳毒素によるG蛋白のADPR反応量を,Liは濃度依存的に抑制して(IG_<50>=約1mM)。(3)ヒト血小板におけるα_2受容体刺激GTPase活性をLiは増加させた。(4)同細胞におけるα_2受容体アンタゴニストを用いた結合実験にて,GTPシフトを減弱させた。(5)同細胞におけるフォルスコリン刺激アデニレ-ト活性に対するα_2受容体刺激による同活性抑制をLiは減弱せしめた。この様に,G蛋白の質的変動を,in vitroの実験系にて観察できることが示され,今后,リン酸化蛋白との関連を研究する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Y.Watanabe: "Effects of lithium ion on the inhibitory GTPーbinding protein and its coupling response." Cellular Signalling.

  • [文献書誌] Y.Watanabe: "Changes of ADPーribosylation of GTPーbinding protein by pertussis toxin in human platelets during longーterm treatment of manic depression with lithium carbonate." Cli.Exp.Pharma.Physio.17/11. 809-812 (1990)

  • [文献書誌] H.Kawamoto: "Effects of lithium ion on ADPーribosylation of inhibitory GTPーbinding protein by pertussis toxin,isletーactivating protein." Euro.J.Pharmacol.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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