研究課題/領域番号 |
02670120
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
田辺 忠 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 部長 (60025624)
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研究分担者 |
井原 勇人 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 研究員 (00223298)
宮田 篤郎 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 研究員 (60183969)
横山 知永子 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 研究員 (90200914)
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キーワード | 脂肪酸生合成 / プロスタグランジン / シクロオキシゲナ-ゼ / 12ーリボキシゲナ-ゼ |
研究概要 |
脂肪酸は、エネルギ-源、生体膜あるいは貯蔵エネルギ-としてのトリグリセリドの構成成分として、生体にとって不可決である。しかし、脂肪酸の過剰は、高脂血症や肥満などの脂質体謝異常を生じ、循環器病の成困となっている。一方、脂肪酸の誘導体であるプロスタグランジンとその関連物質は、炎症、血栓形成あるいは血圧調節において強い生理作用を示し、循環器の生理と病態に密接に関連している。このため、本研究においては脂肪酸とプロスタグランジン生合成の調節機構の解明を分子生物学手段で試み、次の成果を得た。(1)脂肪酸生合成の遺伝子レベルでの調節機構を調べるため、これなで用いて来たファ-ジベクタ-より広い領域をクロ-ニング出来るコスミドベクタ-を用いて、全長が500kb以上と予想される、アセチルCoAカルボキシラ-ゼ遺伝子のクロ-ニングを行い、約10%のクロ-ニングを終了した。(2)アスピリンを始めとする抗炎症剤が阻害剤として知られる、プロスタグランジン生合成の初めの反応を行うシクロオキシゲナ-ゼの遺伝子発現と、遺伝子の存在する染色体の決定を行っているが、結論を得るためには実験の追加が必要である。コンピュ-タ-を用いる詳しい一次構造の相同性の解析を行い、系統樹の作成を行った。その結果、シクロオキシゲナ-ゼは他のペルオキシダ-ゼと同じファミリ-に属し、早い時期に分化したことが明らかになった。(3)不飽和脂肪酸、アラキドン酸の代謝に関与し、脳血管の攣縮に関与している可能性のある12ーリポキシゲナ-ゼのcDNAクロ-ニングを行い、全アミノ酸配列の決定を徳島大学医学部山本教授と共同で行った。ヒト血小板およびブタ白血球酵素のアミノ酸配列を他のリポキシゲナ-ゼと比較した結果、これらの酵素はリポキシゲナ-ゼファミリ-に属し、15ーリポキシゲナ-ゼの構造に最も近いことが分かった。
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