研究概要 |
直腸Adenocartinomaより転移した肝癌組織から、硫安分画、DEAEー.cellulose、Hydroxyapatite、SephacrylS300カラムクロマトグラフィ-にて、高分子量のIV型コラ-ゲン特異的分解酵素を約1,200倍に精製した。 本酵素の分子量は、従来報告されているIV型コラ-ゲン分解酵素である細胞外マトリックス分解酵素(マトリックスメタロプロテア-ゼ)のMMPー9(分子量92kDa)あるいはMMPー2(分子量72kDa)とは異なり、Sephacryl S300 HRおよびSupreose 6 Hr gel filtrationで分画した結果、2,000kDa以上であると評価された。また、不活性型の本酵素はトリプシン処理で活性化されるが、一般的にマトリックスメタロプロテア-ゼ(MMP)のプロエンザイムを活性化する有機水銀剤であるAPMA(pーAminophenlーmercuric acetate)では活性化されない、というような従来報告されているIV型コラ-ゲン分解酵素とは異なるいくつかの特色を明らかにしてきた。 精製酵素に対する特異抗体を得るために、精製酵素でウサギを免疫して抗血清を得た。今後、本酵素とガンの種類、増殖、転移のプロセスとの関連等の検討を行い本研究の推進に用いる目的で、特異抗体の精製を行っているところである。
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