研究課題/領域番号 |
02670131
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
増田 高行 東北大学, 医学部, 助教授 (00113910)
|
研究分担者 |
石井 元康 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (30159678)
安保 徹 東北大学, 歯学部, 講師 (30005079)
|
キーワード | 肝臓類洞 / B型肝炎 / γ^δーTリンパ球 / 免疫組織化学法 / 免疫電顕法 / NK細胞 |
研究概要 |
γ^δーTリンパ球が、肝臓類洞に散在性に存在していることを、ヒト肝臓の手術材料を用いた免疫組織化学的方法で確認し報告してきた。酵素抗体法を用いた通常の免疫組織化学方法とビオチン化した抗体による螢光抗体疫組織化学法を重ね合せた二重免疫組織化学法を開発し、同一リンパ球上の重複した表面のマ-カ-の検索が可能となった。この方法を用いたリンパ球の表面マ-カ-検索では、γ^δーリンパ球は、CD3^+4^-8^-で、いわゆるダブルネカティブTリンパ球であることが分かった。 γ^δーTリンパ球の免疫電顕による観察では、細胞表面に多数の細胞突起を持ち、肝類洞内皮細胞に付着していた。通常、γ^δーTリンパ球の細胞質内には顆粒をほとんど認めなかった。しかし、肝臓リンパ球を分離し、ILー2刺激下で培養すると多数のアズ-ル顆粒が出現した。これらは、電顕的にlarge granular lymphocyteの形態を示し、NK細胞としての機能が推測された。 更に、我々はこれまでに肝炎の肝細胞障害巣に多数のリンパ球に混じってγ^δーTリンパ球が存在することを認めてきた。生検した肝臓の検索では、本年度はB型肝炎に焦点を絞って研究した。B型肝炎の初期には、散在性に肝細胞障害像が見られる時に最っとも多数のリンパ球浸潤が見られ、その中にはCD8陽性のTリンパ球とγ^δーTリンパ球が確認された。さらに肝硬変症に移行し再生結節部ではほとんどγ^δーTリンパ球は認められず、ウイルスに感染した肝細胞をγ^δーTリンパ球が攻撃しているものと推測された。
|