研究課題/領域番号 |
02670152
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
内野 文彌 山口大学, 医学部, 教授 (20034902)
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研究分担者 |
河野 裕夫 山口大学, 医学部, 助手 (40234091)
石原 得博 山口大学, 医学部, 助教授 (70089910)
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研究期間 (年度) |
1990 – 1992
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キーワード | Amyloid Enhancing Factor, / Ubiquitin. / Experimental Amyloidosis, / Neutrophil / Immunoelectron microscopy |
研究概要 |
アミロイドーシスの発症には前駆蛋白の増加以外に種々の因子の関与が考えられる。その一つにAmyloid Enhancing Factor(AEF)がある。AEFについて検討して次の結果を得た。 1.アミロイドーシス発症マウスの諸臓器からAxelradらの方法に従ってAEFを抽出し、AEFの活性が脾に最も高い事を確認した。抗AEF抗血清を作製し免疫組織化学的検索を行いAEFが脾や末梢血の好中球にあるとの結果を得た。そこでAEFが好中球の核、顆粒サイトゾルの何処にあるかを明らかにするために、免疫電子顕微鏡的検索を行いAEFはサイトゾルにある事が解り、また集めた好中球に脱顆粒剤を加えて顆粒とその他の細胞成分に分けてマウスに投与しAEFの活性を検討して、その活性は顆粒以外の細胞成分にあるとの結果を得た。 2.マウスにアミロイドーシス惹起注射を行った後、脾と末梢血中の好中球からDEAE-イオン交換及び高速液体クロマトグラフィー(DEAEカラム、HPLC)を用いてAEFの分離、精製を行った。AEF活性はDEAEカラムで食塩0.17モル濃度で分離されたフラクションとHPLCではretention time23分の部に単一ピークを認めた。 SDS-PAGEでは分子量約15,000の部に単一のバンドを認めた。ガスクロマトグラフィーによる検索の結果とを纏めるとAEFを分子量約15,000の糖蛋白と考えられる。 3.培養クッパー細胞の培養液にAEFを加えると細胞は多数の突起を出して腫大し、電子顕鏡微的観察によりクッパー細胞の小器官に変性像がみられた。この事からAEFはマクロファージに対して障害作用があるので、アミロイドーシス発症刺激により過剰に産生されたアミロイド前駆蛋白が完全に処理されない為に、重合してアミロイド線維になって沈着すると考える。
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