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1990 年度 実績報告書

抗原虫薬の薬物動態に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 02670167
研究機関岐阜大学

研究代表者

大友 弘士  岐阜大学, 医学部, 教授 (80072916)

研究分担者 古賀 香理  岐阜大学, 医学部, 助手 (00205353)
野崎 正勝  岐阜大学, 医学部, 助教授 (30021380)
キーワード薬物動態 / 高速液体クロマトグラフィ- / マラリア / 赤痢アメ-バ / メトロニダゾ-ル / ピリメタミン / スルファドキシン
研究概要

わが国では近年、輸入マラリアやアメ-バ赤痢などの原虫症の増加がみられ、その医療対応が重要な問題になっている。しかしながら、その治療に必要な稀用薬は厚生省研究班の治験薬として確保されてはいるものの、日本人症例に対する薬物動態のパラメ-タ値は殆ど知られていない。そこで、私達はかかる疾患に有効性が高いピリメタミン・スルファドキシン合剤やメトロニダゾ-ルを投与した患者の経時的な血中濃度を高速液体クロマトグラフィ-を用いて定量し、その測定値からコンピュ-タでその薬物動態のパラメ-タ値を求め、合理的な投与計画に基づく標準療法の確立に資する検討を行った。メトロニダゾ-ルは極性の高い化合物で従来その定量は殆どバイオアッセイによって実施されていたが、私達は試料の前処置を簡略化して検体を直接高速液体クロマトグラフに注入し、C_<18>逆相カラムで25〜30%メタノ-ル含有pH7.0リン酸緩衝液(1/10M)を移動相に用いることにより15分以内で良好に分析できることを確認した。この方法の案出により、薬剤の血中濃度のみならず、肝膿瘍内容液、尿中薬物の未変化体と代謝産物も比較的簡便に精度よく定量できるほか、二次病巣の肝膿瘍にも薬剤の有効治療濃度を維持していることが確認された。スルファドキシン・ピリメタンに関しては、さきに1コンパ-トメントモデルを用いた日本人健常者における配合成分の分布容量、血中最高濃度とその到達時間、消失半減期などの薬物動態パラメ-タ値、尿中未変化体排出率や代謝産物などの測定成績を報告したが、今回検討した患者検体におけるそれも類似の成績を示した。しかし、疾患の重度によると思われる変動も観察され、今後の検討を要する問題が残された。さらに、薬剤耐性マラリアの出現によりその効果が再評価されているキニ-ネに関しては現在検討中である。

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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