1991 年度実績報告書

食細胞の産生する活性酸素種の同定とその殺菌効果について

研究課題

研究課題/領域番号	02670176
研究機関	東京大学
研究代表者	上野郁子東京大学, 医科学研究所, 助手 (60012738)
研究分担者	金ケ崎士郎東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012767)
キーワード	マクロファ-ジ / ス-パ-オキシド / ビドロキシラジカル / ESRスピントラップ法 / PMA / チモ-ザン / DMPO
研究概要	昨年までの研究で刺激を受けた好中球はス-パ-オキシド(O^-_2)のみを産生し、ヒドロキシルラジカル( ^ﾟOH)は産生しないことを明らかにした。しかし、刺激を受けたマクロファ-ジは ^ﾟOHを産生するという報告がある。そこで本年度は、マクロファ-ジが刺激によって ^ﾟOHを産生するか否かをESRスピントラップ法及びデオキシリボ-ス(DR)の ^ﾟOHによる分解反応を指標としてしらべた。I。マウス腹腔マクロファ-ジ:サルモネラ菌TH2株(2×10^3cells10.5ml)をBALB/Cマウスに腹腔内注射した後17日目に腹腔内マクロファ-ジを採取した。この細胞をPMAで刺激し生成された活性酸素をDMSO存在下でDMPOでトラップし、ESRスペクトルを測定したところ、O^-_2生成を示すDMPO‐OOHのシグナルが検出された。 ^ﾟOH生成を示すDMPO‐CH_3のシグナルな検出されなかった。PMAの代りにチモ-ザンを用いた場合にはDMPO‐OOHのシグナルもDMPO‐CH_3のシグナルも検出出来なかった。II。10%Proteose pepton液10ml/匹をSDラットの腹腔内に注射し、3日後に採取した腹腔内マクロフア-ジの産生する活性酸素種をIと同様の方法で検査した。III.結核死菌5mg/0.5mlを気管枝経由でラット肺胞内に注入し,1日後に肺胞内マクロファ-ジを採取してIと同様の方法で産生する活性酸素種の同定を行った。II,IIIのマクロファ-ジ共にIの場合とまったく同様の結果を得た。既ち、PMA刺激によってO^-_2の産生のみが認められ、 ^ﾟOHの生成は認められなかった。またチモ-ザン刺激ではいずれのラジカルも検出出来なかった。IV.上記IIIの方法で採取したラット肺胞マクロファ-ジをPMA、チモ-ザンで刺激しDRの分解反応で ^ﾟOHの生成をしらべたが ^ﾟOHの生成は検出出来なかった。以上の結果からマクロファ-ジの場合も刺激によって生成するのはO^-_2であることが確かめられた。

研究成果
(4件)

すべてその他

すべて文献書誌 (4件)

[文献書誌] S.Kanegasaki,I.Ueno,et al.: "SUPEROXIDE GENERATING SYSTEM IN IMMUNE CELLS:POSSIBLE INVOL VEMENT OF CYTOCHROME b_<558>AS THE TERMINAL OXIDASE" International symposium on oxygenases oxygen activation. 191-194 (1991)
[文献書誌] I.Ueno,S.Fujii,H.Ohya‐Nishiguchi,T.Iizuka and S.Kanegasaki: "Characteization of neutrophil b‐type cytochrome in situ by electron para magnetic resonance spectroscopy." FEBS Lett. 281. 130-132 (1991)
[文献書誌] I.Ueno,S.Fujii,H.Ohya‐Nishiguchi,T.Iizuka and S.Kanegasaki: "Molecular properties of cytochrome b_<558>,an essential component in superoxide‐generating system in phagocytes and B lymphocytes:Analysis by electron paramagnetic resonance spectroscopy" Active oxygens,Lipid peroxides and Antioxidants. (1992)
[文献書誌] I.Ueno,et al: "Luteoskyrin,an anthraquinoid hepatotoxin,and ascorbic acid generate hydroxyl radical in vitro in the presence of a trace amount of iron" Free Rad,Res,Commun. (1992)

1991 年度 実績報告書

食細胞の産生する活性酸素種の同定とその殺菌効果について

研究代表者

上野 郁子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60012738)

研究成果

[文献書誌] S.Kanegasaki,I.Ueno,et al.: "SUPEROXIDE GENERATING SYSTEM IN IMMUNE CELLS:POSSIBLE INVOL VEMENT OF CYTOCHROME b_<558>AS THE TERMINAL OXIDASE" International symposium on oxygenases oxygen activation. 191-194 (1991)

[文献書誌] I.Ueno,S.Fujii,H.Ohya‐Nishiguchi,T.Iizuka and S.Kanegasaki: "Characteization of neutrophil b‐type cytochrome in situ by electron para magnetic resonance spectroscopy." FEBS Lett. 281. 130-132 (1991)

[文献書誌] I.Ueno,et al: "Luteoskyrin,an anthraquinoid hepatotoxin,and ascorbic acid generate hydroxyl radical in vitro in the presence of a trace amount of iron" Free Rad,Res,Commun. (1992)

1991 年度実績報告書

上野郁子東京大学, 医科学研究所, 助手 (60012738)