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1991 年度 実績報告書

リポ多糖体O側鎖合成遺伝子産物の集合部位に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 02670179
研究機関名古屋大学

研究代表者

加藤 延夫  名古屋大学, 医学部, 教授 (80022812)

研究分担者 太田 美智男  名古屋大学, 医学部, 助教授 (20111841)
伊藤 秀郎  名古屋大学, 医療技術短期大学部, 助手 (90144162)
キーワードリポ多糖体 / 0多糖合成遺伝子 / rfb遺伝子 / E.coli / 0多糖 / 0抗原
研究概要

本研究の目的はリポ多糖0側鎖の細胞内合成部位を、合成に関与する蛋白の細胞内における分布を決定することにより行おうとするものである。そのために初年度にE.coli 09多糖合成遺伝子(rfb)をクロ-ニングし、その遺伝子産物の数とそれらの分子量を決定した。最終的にこれらの遺伝子産物の細胞内局在を免疫電顕の技法を用いて決定することが目的であるが、まずこれらの個々の遺伝子産物の機能を明かとすることにより、0側鎖の生合成において主要な機能を有する蛋白を決定し、この蛋白に対する抗体を作成することとした。1)Tn1000を用いた挿入変異株れ作成。個々の遺伝子産物の機能を調べるために、トランスポゾン挿入変異株を作成し、9種の遺伝子産物のうちいずれか一つの産物を欠く変異遺伝子を作成した。2)先に作成した変異プラスミドのリポ多糖体合成能を、我々が開発した迅速ミニスケ-ルLPS抽出法を用いて解析した。3)ドイツMaxーPlanck研究所において、E.coli膜を用いた試験管内合成系を用いて、これらの変異プラスミドの失われた機能について解析した。以上の結果から次のことが明らかになった。9つの遺伝子産物のうち、分子量50kDaの蛋白はphosphomannomutase活性を有する。55kDaの蛋白はGDPーmannomutase活性を有する。これらの2つの酵素の働きにより、GDPーmannoseが合成され、0側鎖の糖の供与体となる。さらに分子量89kDaの蛋白は0側鎖の規則正しい繰り返し単位の合成に関与しており、この蛋白の遺伝子にトランスポゾンが挿入された変異株は、0側鎖合成能を失うか、0側鎖の規則性が失われた0多糖を合成することが明かとなった。p50、p55蛋白の遺伝子についてはそのDNA一次構造を決定した。
現在p89蛋白の機能を明かにするとともに、そのDNA一次構造の決定を行っている。p89蛋白は0側鎖の規則性を決定する活性を有すると考えられるため、この蛋白に対するモノクロ-ナル抗体を作成し、免疫電顕を行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Sugiyama,T.,Kido,K.,Komatsu,T.,Ohta,M.,Kato,N.,: "Expression of the cloned Escherichia coli 09 rfb gene in various mutant strains of Salmonella typhimurium" Journal of Bacteriology. 173. 55-58 (1991)

  • [文献書誌] Kido,N.,Sugiyama,T.,Komatsu,T.,Sekizaki,T.,Tong,Z.,Ohata,M.,Kato,N.,: "Analysis of Escherichia coli 09 rfb gene cluster" Journal of Bacteriology.

  • [文献書誌] Saek,A.,Kido,N.,Sugiyama,T.,Yoshida,T.,Kanbe,T.,Iwashita,T.,Ohta,M.,Kato,N.,: "Functional identification of genes of Escherichia coli 09 rfb gene cluster" Journal of Bacteriology.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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